【2018年9月決算特別委員会分科会】インクルーシブ教育の構築が地域へと移行される中、保護者や現場の負担を軽減することが求められています!②


連休の最終日は武庫川女子大学付属中学校・高等学校の平成30年度体育大会に来賓として招待いただきました。前回に続き2回目となります。どの競技も生徒たちが楽しく競技を行っている姿は、観覧する私たちまで笑顔にしてくれます。また、各競技ごとに生徒2名の指揮者が競技の指示を送りますが、彼女たちの笑顔が大変印象的でした。今年も前回同様、素晴らしい体育大会でした。

私の最大の楽しみはマーチングバンドの演目です。今年のテーマはEarth in my home-FURUSATO-。水・風・大地、最後は私たちの住む地球を表現して奇跡の重なり合いを見事にドラマ化した素晴らしい演奏・演技でした。午後から予定があり、途中で退席となりましたが、いつも楽しく拝見させていただき感謝しています。生徒のみなさん、そしてこの体育大会を支えている保護者の皆様や学校関係者の皆様、本当にお疲れ様でした!

前回の続きです。詳細は以下のリンク先をご参照下さい。

【2018年9月決算特別委員会分科会】インクルーシブ教育の構築が地域へと移行される中、保護者や現場の負担を軽減することが求められています!①

次は「教職員の医療行為の研修について」です。
特別な支援を必要とする児童の中でも、医療的ケアを必要とする児童を受け入れる場合は医療行為が伴います。医療行為医師または医師からの指示を受けた看護師でなければ行うことができません。西宮養護学校では一定数の看護師が配置されていることから、医療的ケアを必要とする児童の受け入れが可能となっていますが、小中学校を希望した場合、看護師の配置がなければ保護者が医療的ケアを行うことになります。学校への看護師の配置はハードルも高く、今後のインクルーシブ教育システムの構築を地域で進めるにあたっては、需要に沿った看護師の配置を適切に行えるかどうかが大きな課題となっています。

こうした課題を踏まえ、社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正に伴い、平成24年から登録研修機関での研修を修了したことを都道府県知事に認定された者は、登録特定行為事業者において特定の医療行為の実施が可能となりました。こうした流れを受け、文部科学省では同様の研修を受けることで、教職員も同様の医療行為を行えるという考えを示しています。
特定行為とは以下の医療行為を指します。
①口腔内の喀痰吸引
②鼻腔内の喀痰吸引
③気管カニューレ内部の喀痰吸
④引胃ろう又は腸ろうによる経管栄養
⑤経鼻経管栄養

下の表は都道府県別の医療的ケアを必要とする幼児児童生徒が在学している学校の状況です。<参考資料>平成29年度特別支援学校等の医療的ケアに関する調査結果(文部科学省)


兵庫県は医療的ケアを必要とする対象幼児児童の受け入れが全国で5番目と高い状況となっています。また、このような状況を裏付けるように、看護師が配置された学校数が全国2位、配置された看護師の人数も全国2位、認定特定行為業務従事者のうち教員の人数は全国10位と、どれも高い水準となっているのがおわかりいただけます。

こうした中で、平成29年度の西宮市での各状況は
■看護師が配置された学校数は、西宮養護学校と小学校1校の計2校
■配置された看護師の人数は、西宮養護学校に9名と小学校1校に1名の計10名
■認定特定行為業務従事者(教員)の人数は0人
となっています。

以上の内容を踏まえ、私の質疑と当局の答弁内容は以下の通りです。

【はまぐち質疑】
他市では職員による医療行為への研修を行っている。本市では実施されていないが、今後における研修の必要性についてどのような考えをお持ちか?

【当局答弁】
医療的ケアについては、専門的知識を有した看護師が医療的ケアにあたり、教員はバックアップする体制を整えていきたいと考えております。現段階では、西宮養護学校や小中学校の教員には日々の教育活動に専念してもらうことを優先するため研修を受けて認定特定行為業務従事者となってもらうことは想定しておりません。子供や保護者が安心して学校に通うことができるよう、看護師の効果的な配置について検討してまいります。

今後の医療的ケアの必要な幼児児童の受け入れ体制について、教員による認定特定行為業務従事者ではなく、看護師の効果的な配置をもって行いたいという答弁でした。

今日はここまで。続きは次回に書きます。