【2018年3月定例会 教育こども常任委員会予算分科会】西宮養護学校における福祉タクシーの利用について②


家の壁には娘の描いた作品がたくさん掲示されていて、まるでギャラリーです。
近く、全ての作品をスキャンして1つの絵にしたいと目論んでおります。
ちなみに額に入った絵は生駒さちこさんの作品であり、娘が描いたものではありませんのであしからず。

前回の続きとなります。
内容は以下のリンク先をご参照下さい。

【2018年3月定例会 教育こども常任委員会予算分科会】西宮養護学校における福祉タクシーの利用について①

今回最も心を痛めたのは、結果が覆ったにもかかわらず、私は1年間知らなかったという事実です。この結果について、保護者の方からも教育委員会からもご報告がない状況でした。改めて保護者の方に対して「なぜ結果が覆った時点でご報告をいただけなかったのか?」という問いに対して、その方は「日頃お世話になっている養護学校に迷惑がかかることを懸念しました。」というご回答をいただきました。私は保護者のこのご意向は最大限尊重しなければならないと考え、その意向を踏まえながら、教育委員会とこの問題について予算分科会前日まで意見を交わしました。そして今後このようなことが起きないよう、改善策となるような提案をさせていただきました。

■保護者とのやり取りはしっかり書面で残す

「福祉タクシー利用での通学が決まった」という状況が入学後に覆った理由について、教育委員会は「体温などの状態を委員会として検討した結果、安全・安心して学校生活を過ごすためには、保護者の送迎、付添が必要であると判断した」と答弁がありました。しかし、対象となる児童の保護者から事前に低体温についての懸念は伝えていると伺っています。このように言った・言わないを明確にするためには、事前のやり取りについて双方が内容の確認を行った上で書面に残すことが重要です。このような結果は教育委員会への信頼を損なわせることから、今後は就学相談での決定事項において双方が内容に承諾した文書で残すよう要望しました。

■付き添い負担の可視化と軽減への取り組みを進める

西宮養護学校に通う児童の保護者は、入学からしばらくの期間、児童と一緒に学校にて付き添いを行っています。養護学校に通う児童の中には、医療的ケアが必要な児童や低体温等児童の状態の変化を慎重に判断しながら対応しなければならない児童がいらっしゃいます。このような児童については、保護者にしかわからない対応方法や状態の変化について、養護学校職員の方と引き継ぎを行わなければなりません。こうした引き継ぎ作業は児童の命にかかわることから、その必要性や重要性は私も認識しています。児童の保護者の方は引き継ぎを行いながら『教室での付き添い』→『学校施設内の別室で待機』→『郊外で待機』という段階を経て、段階的に付き添い行為を減らしていきます。児童の状態によって付き添い行為の期間が異なり、長い方では4年間ずっと付き添いを行った事例もあると教育委員会から伺っています。保護者の方もこの付き添い行為について一定の理解は示す一方で、負担が大きいだけでなく、保護者の方が働くことも困難という問題もあります。

そこで提案したのが『教室での付き添い』『学校施設内の別室で待機』『郊外で待機』について、必要な引き継ぎ行為を項目にして整理し、それぞれの引き継ぎ期間について一定の目安を示すというものです。もちろん児童の状態によって個人差があるのは理解できます。しかし、過去の引き継ぎ期間等を考慮すれば、目安という範囲で保護者の方に示すことは可能であると考えます。保護者にとって最も過酷なのは、「付き添いがいつになったら終わるのか」という見えないゴールに向かって走り続けることです。逆にこのゴールが見えることで、保護者は養護学校と協力して引き継ぎへの取り組みにより一層のご理解をいただけるものと考えます。そして何より大事なのは、この引き継ぎを出来るだけ短縮する取り組みへと繋げることです。教育委員会の答弁では、付き添い行為を保護者のご負担として認識しているとの答弁がありました。負担と認識しているのであれば、引き継ぎ期間は短縮させるよう務めることが求められます。付き添い行為が保護者により理解を得られるよう、それぞれの期間について目安を設けること、さらにこれら引き継ぎ期間を短縮させるよう務めることを要望しました。

■福祉タクシーの利用方法について改めて検討する

福祉タクシーに関する予算は前年度と比較して2,213千円増額となっていますが、私はまだまだ足りていないと感じます。また福祉タクシーの利用方法についても、まだ改善の余地があると考えます。特に保育所や幼稚園等を利用する兄弟や姉妹がいらっしゃる保護者の方は、養護学校の通学時間と被ってしまうことで結果的に福祉タクシーが利用できないという事例も存在します。これでは福祉タクシーの予算を増額しても活用できないという課題が生じることから、福祉タクシーの利用方法を見直し、より使いやすい仕組みへと改善するよう要望しました。またこのような課題を改善した上で、引き続き福祉タクシーなど送迎の負担を軽減することを目的とした予算の増額も要望しました。

今回の件はご相談を受けた保護者個人への対応と受け止められるかもしれませんが、私はそのような趣旨で取り組んではおりません。きっかけは確かにご相談を受けた保護者の方からいただいたものですが、過去も現在も同じような問題で苦しんでおられる保護者の方は他にもたくさんいらっしゃいます。すべての方にとってより良い取り組みとなるよう、引き続き取り組んで参ります。