【2019年3月定例会 一般質問】森のようちえんの取り組みについて


毎年4月に妻と初めて出会った日のお祝いをしていますが、今年はその記念日が選挙と被ってしまうため、前倒しして先週お祝いをしました。今回は記念日に何度かお伺いさせていただいている寿町のle benaton(ル ベナトン)さんです。いつも家事や子育てに追われて大変な思いをさせてしまっているので、1年に1度だけでも美味しいお料理で癒してあげれたらと毎年企画していますが、相変わらずの美味しい料理に妻も満足してくれました。本当にいつもありがとう。

今日は森のようちえんの取り組みについてです。

西宮市には市域を東西に横断する東六甲山系・北摂山系を中心に森林が分布しています。森林総面積は3,692ha、国有林以外の民有林面積は3,446haで、西宮市の総面積に占める森林の割合は36.9%となっています。西宮市は市街地を海や山に囲まれた特色ある街であり、こうした身近で自然豊かな資源は登山などのレクリレーションや子供達の環境学習にも生かされています。

子供達の自然体験活動は教育の上でも重要であり、学校教育法では「学校内外における自然体験活動を促進し、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと」と定められています。

自然学習の重要性は就学前の児童も同様です。2017年に日本の幼児教育・保育の基準となる「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園・保育要領」の3つの法令の改定が行われました。内容の変更に伴い、子どもたちが小学校就学前の姿を想定した「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」が示され、具体的な姿や保育者の指導のポイントがまとめられました。そのポイントの中にも、「健康な心と体」「社会生活との関わり」「思考力の芽生え」「自然との関わり・生命尊重」「豊かな感性と表現」など、自然環境の中でこそ高い育ちが期待できるポイントが多く含まれています。

こうした内容を見ていると、就学前児童への自然体験活動に取り組む森のようちえんを思い浮かべます。森のようちえんの発祥は、1950年代にデンマークでElla Flatau(エラ・フラタウ)という一人のお母さんが森の中で保育をしたのが始まりとされています。日本では2008年に「森のようちえん全国ネットワーク」が設立され、2019年2月5日現在で225団体が加盟しています。西宮市にも3つの団体がこのネットワークに所属していますが、私は昨年の11月に兵庫県立甲山森林公園にて、加盟団体の1つである特定非営利活動法人ネイチャーマジックが運営する「森のようちえん・さんぽみち」の活動を視察しました。


森のようちえんは園舎を持たない、いわゆる非認可の幼稚園です。雨の日も雪の日もすべて森林で活動を行います。体よりも大きなリュックを背負い、自然を教材にたくさんの不思議と出会い、豊かな感性を育んでいます。クラスは3歳児から5歳児までの各クラスに加えて、保護者の同伴で参加できる0歳から2歳までの親子組があります。活動を始めて今年で9年目となりますが、園児の募集人数は年々増加傾向にあるそうです。

視察を踏まえ、森のようちえんの取り組みは新しい教育のあり方としての必要性を感じるとともに、西宮市の幼児教育の特色の1つとして期待がもてると私は感じました。

本市は車で少し移動するだけで、海や山の自然に触れることが出来る街です。この環境は最大限生かすべきだと考えます。公立幼稚園や保育所などでも、自然学習を通じて様々な学びを一定行っていることが把握できました。一方で、こうした児童を対象とした自然学習には移動手段や安全確保など、課題もあるのではないかと推察します。また、自然学習の活動を一過性の体験にとどめては、学習効果も見込めません

こうした中で、視察させていただいた森のようちえんは、自然学習に関する先駆者的な存在だと感じています。こうした活動を公立・私立すべての幼稚園や保育所が手軽に行えるような環境が求められていると感じています。

私はこの森のようちえんについて、多くの方々にしっていただきたいという想いで、今回の一般質問に取り上げさせていただきました。ぜひ関連部署の方々にも、森のようちえんの活動をご覧いただくようお願いをしました。また市が開催する幼児教育関連のフォーラムなどで、森のようちえんの関係者を招き意見交換などを行うことも有効だと考えます。子供達に対して西宮市の自然環境を生かした自然学習の推進を進めていただくよう要望しました。