【2019年3月定例会 一般質問】甲子園浜におけるサッカー球技場の整備について


統一地方選挙のポスター掲示板が設置され始めました。
市議会議員選挙の投票日は4月21日(日)です。
いよいよ始まるのかと、心身ともに躍動しています。
今回も前回同様に多くの方が立候補を予定しており、厳しい戦いになることが予想されます。私も気を引き締めて、しっかりと活動して参ります!

一般質問最後の報告は甲子園浜におけるサッカー球技場の整備についてです。

西宮市土地開発公社は甲子園浜にある土地を10年間の暫定利用で貸し出しています。当該土地は下水処理場を整備する目的で兵庫県から購入しましたが、その後下水処理場の整備計画が従来より縮小されたことから、余剰となった5.6haを平成31年7月まで10年間の期限で民間へ貸し出しており、現在はゴルフ練習場となっています。10年の期限が2019年7月と迫る中、昨年9月定例会で石井市長は市が当該土地を公社から54億円で買い戻した上で、サッカー等に利用可能な多目的人工芝グラウンドを含む公園として整備することを検討していると答弁されました。

現在市内には中央多目的グラウンド、中央球技場、能登運動場、浜甲子園多目的グラウンドA及びB、山口町船坂多目的グラウンドA・Bの6つの土のグラウンドと、市内で唯一の人工芝が整備された西宮浜多目的人工芝グラウンドがあります。


単年度ではありますが、この利用実態を見ると
■西宮浜多目的人工芝グラウンドに限っては、土日祝日の利用が9割以上と高くなっている。また、市内グラウンド全体で見てもサッカー利用は高い。
■傾向として、サッカー利用が高いのは平日の15時から21時の時間帯と、土日祝日に集中している
ということがお分かりいただけると思います。

こうした実態だけを見ると、市が主張する甲子園浜における多目的人工芝グラウンドの必要性が一定ある、という見方が出来るかもしれません。しかし、私はこの整備方針には慎重であるべきだと考えています。何故なら
■利用が困難とされている西宮浜多目的人工芝グラウンドの利用申し込みのうち、申し込み全体の約半数が利用実績を確認できない団体によるものだったことが、私の質疑によって明らかとなった。
■こうした問題を放置すれば公平性が担保されないだけでなく、施設に対する需要が正確に把握できない


■2026年完成予定の新陸上競技場内人工芝グラウンドより先に甲子園浜多目的人工芝グラウンドを整備することとなり、その影響が全く考慮されない(資料②参照)


■甲子園浜にグラウンドを整備することは、臨港線の南側にグラウンドが集中することとなり、適正配置の観点から適切とは言えない(資料③参照)
という理由があるからです。

また、市が54億円を投じて買い戻しを行う土地についても
■平成29年度における経常収支比率が96.3%と硬直化しており、決して財政に余裕がある状態ではない
■第5次総合計画では今後10年間で、平成30年度末に274億円となっている基金残高が15億円まで取り崩す可能性があると示されている
■阪神淡路大震災後に基金残高が124億円減少しており、計画中の基金の取り崩しは今後発生が予測される大災害への対応に不安が生じる
などの理由から、急ぐ必要はないと考えます。

この事業の印象を一言で申し上げると、精査が甘いと強く感じます。繰り返し申し上げますが、私は必要であれば人工芝グラウンドの整備も、買い戻しも実施すべきだと考える議員の1人です。一方で、この事業には買い戻しに必要な54億円や、多目的人工芝グラウンドの整備に必要な億単位の費用など、多額の財源が必要です。幅広い市民利用とスポーツ振興双方のバランスを精査し、利用実態を検証しながら計画的に進めなければなりません。しかし、この度の事業内容は検証も足りず、計画性も見えません。見えてくるのは、とにかくここに人工芝グラウンドを整備したいという当局の「整備ありき」な考えです。このままこの事業を進めるのであれば、グラウンドを利用しない多くの市民への理解を得ることは難しいのではないかと考えます。

これまでの内容を踏まえれば、昨年12月に示された甲子園浜に多目的人工芝グラウンドを整備する方針について、2026年頃に完成予定の新陸上競技場内人工芝グラウンドが整備されたのちに、改めてその必要性を検証し、必要であれば整備を行うべきだと考えます。

買い戻しの時期を遅らせることについて、市は「可能である」と答弁しています。市長のご判断が重要になると申し上げた上で、検討していただくよう要望しました。

また、現在の西宮浜多目的グラウンドの人工芝は極めて悪い状態です怪我をする可能性があるほど傷んでいと、利用された方から伺っています。資料にもあるように2021年頃には西宮浜グラウンドの人工芝更新が予定されていますが、この更新をしっかり進めるよう要望しました。

また同時に、西宮浜多目的人工芝グラウンドの利用料金も見直す必要があると感じています。現在は土仕様となっている中央多目的グラウンド人工芝仕様の西宮浜多目的グラウンド利用料金が全く同じとなっています。しかし、人工芝の維持管理費は大変高く、人工芝の更新を含めた西宮浜多目的グラウンドの収支は、現状の稼働率でも年間で約1,000万円の赤字となっています。よって料金の見直しについても要望しました。

加えて、西宮浜の人工芝更新のタイミングで、山口町船坂多目的グラウンドに人工芝を整備することを提案しました。人工芝の更新は確かに高額となりますが、西宮浜の更新と合わせて整備を行った場合、スケールメリットによって更新費用が抑えられる可能性もあります。さらに、西宮浜人工芝の更新時期約2ヶ月間は利用が全くできない状況となりますが、先に船坂へ人工芝を整備すれば、工事期間中も人工芝を利用できる環境が整うこともメリットの1つです。新たに人工芝グラウンドを整備するより、既存のグラウンドを人工芝化する方が整備コストは安くなることもメリットです。西宮浜多目的グラウンドの高い稼働率は「人工芝を使いたい」というニーズが高いことが理由の1つです。西宮北部の方や南部の北側にお住まいの方であれば、山口町船坂多目的グラウンドの位置は利便性が高いという見方も出来ます。もちろん利用していただかないと意味がありませんので、利用者の声もお聞きしながら、面整備の結論を踏まえた上で、慎重に検証いただくよう要望しました。

さらに買い戻しの時期について延長が認められた場合、貸し出しを行っているゴルフ場の再延長も検討すべきだと考えます。ゴルフ場を運営する民間企業は、この土地の賃貸料として約1億円を西宮市土地開発公社へ支払っています。現在の方針では延長期限を3年としていますが、買い戻しが延長されれば、その延長期間まで貸し出しを行いことでより多くの賃貸料が支払われます。買い戻しを前提に買い戻しが延長された場合は、その期間までゴルフ場への貸し出しを延長することも検討するよう要望しました。

今日はここまで。続きは次回に書きます。