この度の条例案否決は育休を取得しやすい環境に反対するものではなく、育休の問題を以前より把握していながら、根本の課題に一切取り組もうとしない市の姿勢です!


昨日で12月定例会が終了しました。

最終日の擬事採決では、育児休業中の職員を職員定数にカウントしないよう改める「西宮市職員定数条例の一部を改正する条例制定」が上程されましたが、我が会派・ぜんしんは反対しました。

本会議場での討論内容は以下の通りです。

会派・ぜんしんは議案第533号「西宮市職員定数条例の一部を改正する条例制定の件」に反対します。以下、理由を申し上げます。

当該条例は「育児休業を取得した職員が所属する職場では、当該職員の担当業務を他の職員に割り振って現員で対応し、現員で対応できない場合には、臨時職員を任用しているが」諸々の理由により「業務を円滑に運営するため早急に対策を講じる必要が生じている」として、育児休業を取得した職員を定数の外に置くことが出来るようにするというものです。
本年4月1日時点での育休取得職員数は117人。
うち保育士30名・保健師11名等の内訳からも、若い女性が多い現場を中心に厳しい状況があることは理解できます。こうした点から条例の趣旨自体は、一定理解できるものと受け止めています。

一方で、本市には
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●財政状況が著しく硬直化している
●市民一人一人が負担する職員人件費が、他市に比べて圧倒的に高い
●他市と比較して課数が圧倒的に多いことに示されている通り、組織構成が著しく非効率的
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等、多くの問題があります。
こうした問題があるにも拘らず、市は一昨年12月議会・昨年3月議会と続けて、職員定数を増員しました。その際に、市は「課題と今後の定数管理の考え方」として
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●事業全般における効率的な執行体制の見直しを検討する必要がある。委託の範囲や非正規職員の活用のあり方について再検討する。
●今後全ての事務事業を見直し、できる限り人件費を抑制する
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という内容を書面で明確に示しました。
ところが、その後2年近くがたったにもかかわらず、現実には、こうした取組はほとんど進んでいません。

今条例は、現時点でも他市に比べて大幅に高い水準にある本市の職員人件費を一層高くすることに直結する内容です。また長期的には一層の職員定数増員につながることも懸念されます。こうした条例を施行したいと考えるのであれば、まずは市自身が必要性を認め、取り組むことを約束した「効率的な執行体制の見直し」、「委託の範囲や非正規職員の活用のあり方について再検討」「全ての事務事業を見直し、できる限り人件費を抑制」等の施策を推進し、現状の多すぎる人件費を縮減する道筋を示すべきです。

残念ですが、こうした取組みがなされない中での条例提案には賛同しかねます。
以上の理由から、会派・ぜんしんは議案第533号に反対します。
以上、反対討論といたします。

保育現場の厳しい状況を考慮すれば、負担の軽減は必要です。しかし委託の範囲や非正規職員の活用のあり方への再検討や、事務事業の見直し、人件費の抑制について全く進捗がないことを踏まえると、この育児休暇の問題に対して市は真摯に向き合っているのか甚だ疑問です。

育児休業中の職員を職員定数にカウントしないよう改める「西宮市職員定数条例の一部を改正する条例制定」は、会派ぜんしん、政新会・公明党西宮市会議員団・維新プラスによって、反対多数で否決されました。