息子が生まれてから1ヶ月が経ちました。2~3時間置きの授乳、おむつ替え、夜泣き、沐浴などなど。加えて日々の家事や娘の育児など、妻の体は休まる暇がありません。出産を終えた女性は出産という大仕事の後、さらに過酷な日々が待ち受けます。幸い義母が退院後に食事や身の回りのサポートをしてくれたので、妻の負担は比較的軽減されたようです。また、娘もおむつ替えや料理・洗濯のお手伝いなど、一所懸命に手伝ってくれました。本当に義母と娘には感謝です。一方で、このような支援がない産後のお母さんは、心身ともに過酷な日々を送っていることは容易に想像できます。
産後うつ病の発症や0歳児に多い虐待死の予防が課題となる中、産後の支援体制の確立が急務となっています。こうした課題を踏まえ、本市では概ね産後4ヶ月未満の家庭を対象に
■沐浴補助など家族等の支援が受けられない産婦
■育児不安の高い産婦
■授乳等の技術的な指導を要する産婦
に対して心身ケアや育児指導を行うアウトリーチ型の産後ケア訪問事業を実施します。
この事業では、嘱託助産師1名を北口保健福祉センターに配置します。
配置された助産師は
■母子健康手帳交付時の面接及び支援が必要な妊産婦への支援プランの作成
■産後ケアが必要な産婦へ授乳指導や育児指導
などを行います。
今までも保健福祉センター保健師や助産師による産婦への単発の訪問指導を行っていましたが、助産師の配置によって
■助産師による乳房マッサージの実施
■助産師による沐浴の実施指導
■産後の母体回復への助言や支援
などが継続的に支援可能となります。
実施の回数は対象者を30名とし、1人に対して4回程度(1回の実施時間は約2時間)の実施を予定しています。利用者自己負担額は1回2,000円ですが、生活保護世帯及び市民税非課税世帯は免除されます。
多くの産婦人科では産後1ヶ月以内の産婦を対象に、エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)による産後うつ病のスクリーニングを行っています。また保健福祉センターの訪問時にもEPDSを行っていますが、この点数が9点以上の場合はうつ病の可能性が高く、産後の支援が必要な場合があります。保健福祉センターが産婦訪問で実施したEPDSの結果によると、年間約4,000人の出産に対して、本市では約100名の産婦が支援を必要とする可能性があるとの報告がありました。今後は必要な支援に応じた助産師の配置が課題となります。
産後ケアの重要性や必要性は理解していることから、この事業の趣旨については賛成です。一方で、この事業は民間によって実施できないのか、という考えもあります。この事業について、今後も注視して参ります。