今日で平成30年3月定例会が終了しました。私が所属する会派・ぜんしんは平成30年度一般会計予算案のうち、民生分科会所管分の卸売市場管理運営事業経費のうち、卸売市場再生整備事業に関係する費用を削除する修正案を提出しましたが、結果は賛成少数で否決されました。よって会派・ぜんしんは議案第428号・平成30年度一般会計予算案の採決に際し、採決に加わらず退場しました。詳しい理由については後日書きたいと思います。
教育こども常任委員会予算分科会最後の質疑はわかば園の運営についてです。
わかば園は昭和42年に肢体不自由児通園施設として開設され、津門川町で業務を行ってきました。わかば園は平成27年9月に整備されたこども未来センターの通園療育部門に名称が受け継がれました。
平成29年9月定例会にて、私はこのわかば園の送迎に関する課題について質疑を行いました。
【9月定例会・一般質問】わかば園の送迎に関する改善について①
【9月定例会・一般質問】わかば園の送迎に関する改善について②
今回も施設を利用されている保護者の方から、わかば園の運営についてご意見があったことから
・わかば園の療育の質について
・リハビリに対する課題について
それぞれについて質疑をさせていただきました。
私の質問内容と市の答弁は以下の通りです。
<わかば園の療育の質について>
【はまぐち質問】
わかば園の保護者から、わかば園で実施される療育の質や実施内容について懸念の声を聞いている。市は保護者が抱くこれらの懸念についてどのような認識をお持ちか?
【当局答弁】
わかば園の保育士は現在、正規職員7名、嘱託職員4名となっており、こども未来センター開設以降、正規が2名、嘱託1名を増員し、体制の強化に努めてきたところです。ただし、障害児の療育には一定の実務経験も必要であり、より一層質を向上していく必要性は感じております。普段の療育の中で、ベテラン職員と新任職員、担任と副担任の組み合わせを工夫するなど、療育・保育技術の継承に努めるとともに、各種研修会への参加、わかば園の療育公開や児童発達支援事業所、放課後等ディサービスとのスキルアップ勉強会などを通し、相互交流による保育士の質の向上や地域における療育力の向上も目指しているところでございます。今後もこうした取り組みを地道に続けていき、質の向上を図ってまいります。
【はまぐち質問】
質を高める取組みとして、市が目指すべき療育の質を定義し、目標として定めることも有効だと考えるがどうか?
【当局答弁】
療育の質を一律に定義するのは困難ですが、わかば園では、平成29年7月に厚生労働省が定めた「児童発達支援ガイドライン」に基づき、事業所に求められるニーズや、支援目標及び支援内容を踏まえて、児童発達支援の具体的な内容を検討し、「児童発達支援計画(個別支援計画)」を作成しているところでございます。今後も、「児童発達支援ガイドライン」の趣旨を生かした運営に努め、個に応じた支援目標を定め、適切な支援を行ってまいります。また、他の事業所につきましても、児童発達支援事業所、放課後等ディサービスとのスキルアップ勉強会などで相互交流を行いながら、児童発達支援ガイドラインへの理解を深め、地域全体として質の向上を図ってまいります。
<リハビリに対する課題について>
【はまぐち質問】
平成27年9月に、こども未来センターに移行するにあたり、旧わかば園の医療型児童発達支援センターから福祉型児童発達支援センターに移行した。その理由はどのようなものか。
【当局答弁】
児童福祉法の一部改正で、肢体不自由児や知的障害児などの障害児施設の障害種別が一元化され、平成24年4月から通所施設は医療型と福祉型の児童発達支援センターに整理されることになりました。医療型は、上肢、下肢または体幹の機能の障害のある児童に対する児童発達支援及び治療を主な目的とし、福祉型は、日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練などを目的としたもので、旧わかば園は肢体不自由児通園施設であった経緯もあり、平成24年4月に医療型に移行しました。
このように、旧わかば園は肢体不自由児通園施設ではありましたが、こども未来センターへ移行する以前から、相当数の発達障害児を含む知的障害児も通園しており、肢体不自由児と違い必ずしも通園ごとの診療・リハビリが必要でない通園者の割合が増加していたこと、わかば園通園児以外の需要に応じるため、通園児と通園児以外の診療・リハビリの利用の仕方を同一にしたこと、また、こども未来センターの福祉、教育、医療の連携という新しいコンセプトのもと、通園療育において医師の指示が療育の方針を決定してしまう医療型よりも、相互の分野が協議する中でよい意味で連携、牽制、修正できるような仕組みを導入するとの考えにより、福祉型を選択いたしました。
また、通園療育に関しては、集団による保育を大切にしていますが、以前の医療型の時には集団保育を退出し、リハビリを実施していたため、児童が療育に集中できないというデメリットがありました。
【はまぐち質問】
一方で、リハビリを受ける児童の保護者から、この方針によってリハビリを受ける日程が余分に増えるといった新たな負担も生じていると伺っている。市はこの新たな負担をどう認識しているのか?またこの負担を改善できる策を検討すべきと考えるがどうか?
【当局答弁】
こども未来センターの通園療育部門を福祉型児童発達支援センターとして開設するにあたり、保健所や兵庫県と協議した結果、児童発達支援センターと診療・リハビリ部門の構造設備は独立させる必要があり、また、職員の専任規定があるため、リハビリを通園療育のプログラムから独立させなければならなくなりました。このことによって、リハビリを受ける日程が余分に増えるといった保護者の方の負担を考慮し、通園時間を9時20分の開始から、10時の開始に改め、通園療育の開始前にリハビリを受けていただくなど一定の配慮をさせていただいているところです。
療育の質を定義することは、療育を受ける方々だけでなく療育に携わる方々の目標となることから重要だと考えます。質の定義については、例えば西宮市児童通所支援事業所連絡会にて議論いただくことも有効です。また第三者の視点をもって、客観的に未来センターの療育を評価することも有効だと考えることから、検討を要望しました。
リハビリの課題について、今回福祉型を選択したことによって、未来センターを利用する多くの方々にとって利便性が向上することは理解できました。一方で、施設を利用している保護者の中には、今回の選択によって負担が増えたという意見も聞いています。こうしたご意見があることについて、施設からの事前の説明が不十分だったのではないかと感じています。
未来センターはこどもたちの療育を行う市の施設であり、すべての療育にとってお手本となるべきです。保護者の方からは、未来センターが開設されて以降、意見箱の設置はあるが周知も少なく、保護者に対するアンケートが実施されたことはないと伺っています。利用する方のご意見は施設の療育向上に欠かせない情報であるとともに、施設側が意見を伺うといった市民へ寄り添う姿勢はあってしかるべきです。施設を利用する方々の意見を聴取し、内容を精査して療育の向上に資する取り組みとなるよう要望しました。
今日はここまで。続きは次回に書きます。