西宮市・芦屋市ごみ処理広域化について①

お隣の尼崎市では先週末に市議会議員選挙が行われました。その結果を各社新聞が取り上げております。

尼崎市議選 公明は全員当選、自民現職5人落選(神戸新聞NEXT)

市民の皆様から選ばれて初めて議員となる私たち政治家にとって、選挙はとても重要です。結果を見ると、4年前の選挙で当選した現職の方が10人も落選する波乱の結果となったようです。また無所属の候補者も苦戦を強いられ、4人の方が落選しています。今回の尼崎市議会選挙は定数41人に対して61人が立候補しました。平成25年の同選挙では立候補者が52名だったので、9名多い選挙でした。候補者が多くなると票が割れ、結果として以下のような状況になります。

<落選候補者得票数の合計>

【平成25年(前回)】
候補者52名 落選者12名 得票総数17,938票

【平成29年(今回)】
候補者61名(7名増) 落選者19名(7名増) 得票総数25,950票(7,976票増

ご覧の通り、7,976票も多く落選した候補者に集まります。
市議会議員に選ばれなければ有権者の声を届けることができません。このような結果も踏まえて、有権者の方は候補者を選び、投票をすることも重要なポイントの1つとなります。

私もこの6月で任期から丸2年が経ち、折り返し地点となりました。2年後には選挙があります。今回の尼崎市の選挙結果は他人事ではありませんし、この結果を見てさらに危機感を得ました。個人的な感想ですが、選挙期間1週間で4年間の活動をお伝えすることは極めて困難です。なので日頃から日々の議員活動や市政の課題、私の考えをしっかり皆様に伝えることは重要であり責任であると考えます。その手段として、定例会ごとに地域に配布している市政報告紙や駅立ち、公式ブログでの発信を行っています。

自身が候補者を選ぶ立場だった頃、恥ずかしながら候補者の考えや活動をそこまで意識することはありませんでした。選ばれる立場に変わった今となっては多くの悩みを抱いています。今回の選挙結果を踏まえ、とにかく今は西宮市の為に活動することだけを考え、日々精進して参りたいと感じました。選挙で戦った皆様、本当にお疲れ様でした。

さて、現在西宮市と芦屋市との間でごみ処理広域化について検討が進められています。平成29年4月27日に西宮市役所にて第一回検討委員会が開催され、広域化実現の可能性について話し合いが行われました。

確かに広域化を進めることで、西宮市・芦屋市双方にとってメリットとなる可能性はあり、広域化について反対する立場ではありません。ただ明確にメリットやデメリットを検証しないまま、安易に広域化を進めるべきではないと考えます。

検討委員会では
・広域化を進める上で西宮市・芦屋市両市のメリット・デメリットの検討
・広域処理の運営方式
・広域処理に係る費用負担
などを検証した上で、広域化を進めるかどうかの判断を行います。

この件については、私が所属していた民生常任委員会の施策研究テーマにもなっており、すでに委員会としての考えを当局に伝えております。
施策研究テーマ 「ゴミ処理事業の広域化について」 提言書

西宮市にとって重要なことは、広域化による西宮市のメリットを明確にした上で、最大化することです。

事前資料によると、ごみ1トンを処分するのに必要な費用(過去3年間の平均値)は西宮市が約26,900円であるのに対して、芦屋市は約42,400円となっています。この数字を見れば芦屋市の処分費用は明らかに高いことがおわかりいただけます。芦屋市の処分費用が高くなっている理由として、前回行われた検討会の中で「芦屋市の収集にはパイプラインの費用を含むため、単純な比較は難しいが、収集運搬と中間処理、いずれも芦屋市の方が高くなっている。これはスケールの違いが大きく、西宮市はスケールメリットが出ていると考えられる。」と芦屋市側は説明されていました。処分費用の平均値は、ごみ処理にかかった年間総費用を年間ゴミ総トン数で割ることで算出してます。人口規模48万人の西宮市に対して、芦屋市の人口は10万人に満たないことから、芦屋市ではスケールメリットが小さいことが理解できます。

西宮市との広域化を実施することで芦屋市は
・スケールメリットを活かせる
・単独処理に必要とされるゴミ処理施設等の整備費用が不要となる
・結果として1トンあたりの処分費用が大きく下がる可能性が高い
など、メリットが多く存在することがわかります。

一方の西宮市については
・芦屋市で処理されていたゴミの量だけ本市の処理量が増える
・上記処理に対して、芦屋市が負担した費用によって西宮市のメリットの大きさが決まる
など、現時点で明確なメリットは見えません

さらにこの処分費用の平均値には、数十億単位のごみ処理施設の整備や更新費用が含まれておらず、これらの費用も適切に分担することが前提となるべきです。上記の内容は我が会派・ぜんしんの意向としてしっかりと市に伝えました。

今日は午後から第二回西宮市・芦屋市ごみ処理広域化検討委員会芦屋市環境処理センターにて開催されます。伝えた内容がしっかりと反映されているか、私もこの委員会の傍聴に行く予定です。委員会の内容については後日また書きたいと思います。今日はここまで。