地域における施設の統合的活用方針について


娘はお料理ごっこが大好きです。私もお客さん役、お店役で一緒に遊びます。輪ゴムを使って焼きそばを表現しています。こどもの発想力にはいつも本当に関心するところです。

市が保有する公共施設のあり方について、平成24年度に策定された「公共施設マネジメントのための基本的な方針」に則り取り組みが進められています。これまで人口増加や経済成長に合わせて整備拡充してきた公共施設が次々と大規模改修や建替えの時期を迎え、今後の維持管理及び保全整備コストの増加は避けて通れません。施設の将来を見据えると、今ある施設をこのまま維持し続けることは大変厳しい状況です。 これらの課題を解決していく為には、本当に必要なものを見極めながら、効率的に施設を利用できるように施設の複合化や統廃合など再編を進めていくことが重要です。

今日の委員会では公民館、市民館等の集会施設関する方針が示されました。
内容としては
用途変更による削減によって、市民館及び公民館全体の総面積から1697.74㎡を削減する
(対象:香櫨園市民館、夙東市民館、甲東センター、鳴尾中央センター)
・耐震化による建て替え時に平屋への建て替えやスケールダウン(縮小化)することによって、市民館及び公民館全体の総面積から457.13㎡を削減する
(対象:網引市民館、市庭市民館、大箇市民館、北甲子園口市民館、甲陽園市民館、平木市民館、八ツ松市民館)
・エレベーター設置・保守管理料等を削減する
などを実施することを検討しています。

以上の内容を踏まえ、委員会での質疑と市の回答は以下の通りです。

【質問】
方針を実施した効果、つまり削減面積は、施設総量全体の何%にあたるのか?

【市民局答弁】
建替えの際に平屋建てやスケールダウンにより削減する面積が457.13㎡であるのに対して、施設マネジメント方針を打ち出した平成21年度の施設延床面積は1,491,888.91㎡となっています。結果として削減効果は施設全体の0.03%です。

【質問】
施設マネジメントのあり方を検討していく中で、示された数値を市はどう評価しているのか?

【市民局答弁】
施設マネジメントの取組みは、将来を見据えながら、公共施設の適切なあり方を目指すものです。このため、行政需要に対して不足する機能を確保していくには施設を単に新設するという発想だけではなく、既存施設の用途転用など財政負担をできるだけ小さくすることも重要です。
今回の方針においては、床面積の削減はわずかではありますが、維持管理経費の削減のほか、事業実施のために新たなスペースを作ったり、借上げるのではなく、今ある市民館・公民館などの余剰スペースを活用してもらい、事業連携を図ることで新たな支出を抑えていくという、施設の総合的有効活用について検討しました。事業連携・施設連携による効果は数字に表れにくいものでありますが、こうした取組みは、今回の方針の評価できる点であると考えております。
事業連携により施設に様々な行政機能が付加され、多機能化が進むことで、施設の魅力が増していきます。さらに、施設の利用者層が広がることで、地域内のコミュニケーションが深まり、地域の活性化につながることも期待しております。
用途変更など、事業連携が確定した施設はまだ少ないのですが、今後も継続的に事業連携の可能性を模索していくこととしておりますので、更なる効果が生まれてくるものと考えております。

【質問】
将来的な構想にも記載があるように小学校を活用すべき。また教育委員会所管の施設全体を活用することも考えるべき。3月の代表質問における澁谷議員の質問において『多くの「公民館や市民館等の集会機能をもつ施設」では、土日祝日等は予約でふさがっており、使いたくても使えないという状態が恒常化している。こうした点を踏まえ、学校の有効活用を図るべき』との質問に対して教育委員会は『今後も、施設の有効活用を図るため、学校施設を学校教育に支障のない範囲で、地域団体が地域振興のために行う活動に使用できることを周知するとともに、校舎の改築にあたっては、地域団体の施設利用に配慮していく。』と回答している。資料には耐震基準を満たしていないため建て替え対象となっている平木市民館がある。平木市民館の稼働率は年間およそ12%で市民館・公民館の中でも極めて低い。施設の床面積を減らす目的で稼働率の低い市民館を建て替えることは決して効率の良い手法ではない。こうした内容を踏まえ、平木小学校の余裕教室を用いて活用を進めるべきと思うが、教育委員会としてはどう考えるか?

【教育委員会答弁】
既存施設の有効活用は、公共施設マネジメントの大きな柱となる考え方です。特に学校施設は地域コミュニティの核となるべき施設であることを基本に、施設の有効活用を進めていくことは、教育委員会の方針として認識しております。
平木小学校の施設の有効活用につきましては、所管の部局からも、現在、学校と協議を進めていると聞いております。

【質問】
計画では平木市民館は建て替えとある。市民館が平家に建て替えられた場合の費用は概算でいくらとなるのか?また仮に市民館施設の代替え案として教室の活用を行った場合、例えば育成センターの例を挙げて費用がどの程度になるとお考えか?

【市民局答弁】
平木市民館の建替えに要する費用の概算は、平屋建て200㎡で約1億円と見込んでおります。また、小学校の教室を育成センターに転用する際の改修費用は、水周り設備や空調、床、電気設備等の設備面の費用を含み、1教室で約1500万円必要と確認しております。

【質問】
すでに所管の部局が平木小学校の教室活用について、具体的な動きを進めているとの答弁があった。ここで確認するが、仮に平木小学校の教室活用が可能となり、平木市民館の代替え施設として有効であるとの結論に至った場合、平木市民館を建て替えるのではなく整理する方向で検討することも選択肢としてある。その可能性について市民局の考えを聞きたい。

【市民局答弁】
先ほど説明させていただいたとおり、将来的には小学校での余剰教室を活用し、小学校を拠点施設としていく方策について検討していくこととしております。余剰教室の活用について条件が整った場合は、委員ご指摘の選択肢の検討も可能であると考えております。

限られた施設の中で削減案を示したことについて評価します。しかしこの結果は当初から予想されていたものであり、なぜ市民館や公民館から着手したのかはなはだ疑問です。施設総量を考慮すれば、公共施設全体の約4割をしめる市営住宅学校施設から着手すべきであり、今後これらの施設を優先的に検討を進めるべきです。

公共施設マネジメントでは
①維持管理の最適化〜上手に使う〜
②施設性能の最適化〜長く大事に使う〜
③施設機能の最適化〜とことん使う〜
④施設総量の最適化〜身の丈に合わせる〜
の4つが基本となっています。

目標では平成29年までに維持管理経費を10%を、さらに44年までに施設総量(延床面積)を10%74年には20%削減するとある中で、目標に対して積極的な対応を実施すべきです。

この目標を達成するために我が会派では、教育施設の教室を活用するための様々な提言を多岐に渡って行っています。今回の平木市民館が立て替えによって92.91㎡削減できたとありますが、学校の余裕教室を活用できれば、平木市民館の機能を維持したまま施設面積がさらに200㎡削減できることや、立て替え費用を大幅にカットできること、さらに維持管理費も同時に削減できるほか、廃止した平木市民館跡地を保育所施設など新たな活用が可能となるなど、多くのメリットを得ることができます。

平木市民館以外にも、同様の活用によって大きな削減効果が見込める施設が存在する可能性があります。今後は公民館および市民館を余裕教室の活用によって整理できないのか、その可能性について市民局、教育委員会双方で課題も含めて検討いただくよう要望しました。


写真は委員会の前に平木小学校へ視察に伺った際見つけた学校施設の水田です。震災後に地域の方々のご協力で整備され、こどもたちの食育に生かされています。学校は地域にとって重要な教育施設です。学校の中に地域交流の場が設けられることで、更なる地域力の向上に繋がることを期待して、今後も教室活用を進めて参ります。