議会棟の前にある桜の木に花がつきはじめました。入学式の頃にはちょうど見頃になりそうです。新しい年度がスタートする中、先週末から各社新聞等が西宮市政に関連する以下の不祥事について取り上げています。
障害者支援NPO、5億円流用か 国税指摘 2・8億円源泉徴収漏れ
内容をまとめると
・障害者の就労支援を行っている兵庫県西宮市のNPO法人「西宮障害者雇用支援センター協会」が大阪国税局の税務調査を受けた
・障害者らへの報酬などとして経費計上した人件費のうち約5億円が、実際には理事長の父親に渡っていた
・国税局は源泉所得税の徴収漏れを指摘し、重加算税を含め約2億8千万円を追徴課税した
・障害者就労支援をしている法人などへの優先発注制度に基づく平成28年度の随意契約額約6億円のうち、同協会グループは約3億5千万円を占める。29年度分も3億1千万円を契約済み
・西宮市は「障害者に適切な額が支払われているかなどの確認のため、~中略~指導監査を検討する」としているが、これまで監査に入っていなかった
というものです。
報道が事実であるとすれば、西宮市が監査に入っていなかったことが今後大きな問題となる可能性があります。引き続き展開を注視します。
前回の続きとなります。内容は以下のリンクをご参照ください。
学校給食の目前の課題は安全・安定を最優先に、チーフ調理員の配置問題の解決を図ることです。一方で市長が掲げた公約には学校給食調理員の問題についても記載されており、市長に就任される前からこの問題への認識は十分にあったと考えます。にもかかわらず、この場においても未だ尚方針が示されていない状況を、改革が進んでいると解釈するのはかなり無理があります。
学校給食の今後の方針について考えられる対応は
①正規職員の採用
②正規職員以外もチーフ調理員に任命できるよう制度を改正
③安全・安定を担保した形での民間委託
この3つに絞られると考えます。
今定例会では大幅に正規職員数を増加させる職員定数条例の改正案が提出されています。市役所の改革を本丸に掲げていた今村市長ですが、このような流れを考慮すれば給食現場において凍結されている正規職員採用も再開しかねないと危惧しております。
以下私の再質問と市長答弁は以下のとおりです。
【質問】
市長は長年凍結されていたゴミ収集業務に関わる職員の採用を、議会への説明もなく唐突に再開した。今回の学校給食についても同様に、今まで凍結していた正規職員の採用を実施するのではないかと懸念している。給食調理業務に携わる正規職員採用についての市長の考えはどうか。
【答弁】
行政改革の推進は職員団体の協議が必要。協議に先んじて、議会に方針を披瀝することは交渉の戦略上得策ではないと考える。よって方針は来年度中に示すと過去にも申し上げている。
【質問】
今議会に提出されている職員定数条例が可決された場合、正規職員数は大幅に増加される。公約の内容を考えれば職員の整理方針がまず先に示されるべきだと考えるが、今回は採用の方針が先に示されており極めて遺憾。学校給食についても同様に、今後の方針を示すことなく採用方針が示されるのではないかと懸念している。市長の考えはどうか。
【答弁】
条例案に関して、教育委員会は定数を削減している。
【質問】
市長は今回、職員定数の増加を図る背景には、行政サービスの良質的増大に伴う事務処理負担の増加があるとしている。一方で今回の採用について当局は「行政サービスの増大は今に始まったわけではない」との考えを示した上で、震災等の影響で行政改革が過剰に働いた分を埋め戻す趣旨の発言をしている。ここで疑問に思うのは、この一連の期間、今村市長は私と同様に市議会議員だったということ。つまりこれらの内容は今村市長も把握した上で、公約に人件費削減を重要政策として掲げたはず。にもかかわらず、市長任期が3年経った今、改革が進むどころか逆行している現状をみると、初めから人事改革をやる気がなかったのではないかと疑ってしまう。市長の考えを聞きたい。
【答弁】
人事給与制度の改革は必要な行政サービスをどれだけ安いコストで提供するかを追求するもの。震災以降は人口も増えているし行政ニーズも大変高まっている。震災以降は西宮市の財政が大変厳しかったことで、行政施策についても後送りにされたものはたくさんある。震災復興も終えたこの現状で、さらに後送りすることはできないので、この時点でいよいよ手をつけていかなければならない。事業の推進には、お金だけでなく職員も必要。私が選挙を通じて提案してきた、また今も西宮市役所内で進行してる行政改革とは全く別の次元の議論だと思う。
必要な人員を増やすことには反対しません。
ただし、人員が必要かどうかの判断を行政ニーズという単純な理由だけで進めることが問題だと私は指摘しています。
職員を増やすこと=財政負担を増やすことです。
そして、職員を増やす前提には
・市が行う業務を精査し、市が直接行う必要のない業務を外部委託すると共に、直接行うべき業務であっても徹底的な効率化を進めること
・先に述べた取組を進めることで発生する余剰人員を適正に配置し、業務負担の適正化に努めること
・各部署における業務内容や残業時間を精査し、適正な人員配置に努めること
をしっかりと検討すべきです。
「検討は行った。これから組合交渉をする。方針内容は明かせない」という答弁では
・内容も披瀝できないのに検討を行ったと言われても信憑性がない
・これから交渉というが、そもそも遅すぎる。また交渉が決裂する可能性も否定はできない
など不確定な要素が多く、改革が進んでいると言えるのか甚だ疑問です。
また答弁の中で「教育委員会は定数を削減している。」とありますが、この削減については
・労務職の配置
・平成26年度の前河野市長時代に、当時教育委員会所管だった社会教育部スポーツ推進課が市長部局へ移動されたこと等による職員数の変動
・市立幼稚園の休級・休園規定によって削減された幼稚園職員の減
が主な要因となっています。定数削減の理由は今村市長の政策判断とは無関係なものであり、「教育委員会分は削減した」という内容は答弁になっていません。事実としてあるのは結果的に職員定数が増え、今後は職員数が増えることです。
「私が選挙を通じて提案してきた、また今も西宮市役所内で進行してる行政改革とは全く別の次元の議論」と言い放つ市長の考えを聞く限り、やはり初めから市民との公約を守るつもりはなかったのではないかと疑ってしまう答弁内容でした。市長が掲げた公約に期待する多くの市民の方々のためにも、改めて公約の実行を進めるよう強く要望しました。
また学校給食問題については、学校給食の民間委託が優位であるかどうか定かではない現時点で、是が非でも民間委託するべきだと私は考えていません。しかし、民間委託について具体的に検討することもなく、直営が安心・安全・優良と主張する教育委員会の認識には強い疑問を感じます。すでに民間委託している尼崎市と比較すると、委託すれば人員は増加でき、負担は軽減でき、トータルコストは下げられるという見方ができます。こうした検証を行わずして、現状の給食環境を最良と結論付けることは、あってはなりません。学校給食の検証はすでに終えているとのことなので、全庁的な方針も踏まえ、速やかに提示するよう要望しました。
行政改革は今後の西宮市にとって、安定な市政運営を図る上で最も重要な取り組みです。今後も公約を進めるよう厳しく追及して参ります。