今日で平成29年度3月定例会が終了しました。
一般質問や委員会、予算分科会では積極的な質疑や提言を行いました。内容については引き続きこのブログでご報告をさせていただきます。
一方で、残念なことは職員の定数を増やす条例が賛成多数で可決されたことです。
公約を掲げた今村市長を応援した一市民として、そしてその公約の実現に向けて援護するつもりだった議員として、極めて残念な結果となりました。
今定例会の最終日に我が会派の幹事長である澁谷議員が、西宮市職員定数条例の一部を改正する条例制定の件について反対討論を行いました。原文をそのまま掲載いたします。
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ただいま上程中の諸議案のうち、議案第231号 西宮市職員定数条例の一部を改正する条例制定の件について、会派・ぜんしんは反対します。
以下、理由を申し述べます。
本議案は、市職員の定数を現在の3892名から3948名へと56名増員するものです。
職員定数の増加は人件費増大に直結し、本市の財政状況を悪化させる要因となることが危惧されます。本市の平成27年度決算における経常収支比率は93.8%と規模等が類似する他の自治体と比較して高い水準にあり、きわめて硬直した財政状況となっています。また、市が今年8月に作成した「西宮市の決算の概要~平成27年度版~」によると、市民1人が負担する市職員の人件費は6万8,507円と、類似団体平均の5万7,686円を20%近く上回っています。財政の一層の硬直化に直結する職員定数の増に、きわめて慎重であるべきなのは言うまでもありません。
加えて今後、生産年齢人口の減少に伴う市税収入の減少、高齢化の進行に伴う医療・福祉・介護等、社会保障関係費用の増大、公共施設・道路・橋・上下水道管等の老朽化対策に必要な費用の増大など、財政状況の一層の悪化につながることが懸念される要因が多数存在しています。そんな中、現時点でも他市に比べて著しく高い水準にある人件費を一層増加させる職員総数の増加には到底賛同できません。
私共は、必要な部署に人員を増強すること自体に、必ずしも反対なわけではありません。だからこそ12月議会では消防職員の定数を426人から522人に96名増員する議案にも賛成しました。しかしながら、それは討論で申し上げたとおり、「今後、最低でも今回消防で増員する以上の職員数を削減すべき」という考えに基づいたものでした。そして人件費を削減すると共に、現在の人員を有効に活用するために、会派として
- 市が行う業務を精査し、市が直接行う必要のない業務を外部委託すると共に、直接行うべき業務であっても徹底的な効率化を進めること
- 先に述べた取組を進めることで発生する余剰人員を適正に配置し、業務負担の適正化に努めること
- 各部署における業務内容や残業時間を精査し、適正な人員配置に努めること
等、具体的な取組を進めるよう求めてきました。しかしながら、こうした取組は遅々として進んでいません。
そもそも今村市長は、市長選挙において行政改革を重要な項目として取り上げ、「効率的で公正な住民目線の市政運営を実現」すると市民に約束しました。私も含め、この主張に賛同し、共感したからこそ、あなたを応援した方は数多く存在します。
ところが市長はマニフェストで「もはや法律上問題のあるレベルなのです」とまで訴えた市職員の給与水準を改革することもないまま、「採用中止」を約束した清掃職員の採用を再開。「人件費を削減すること」を約束したにも関わらず、職員定数を大幅に増加しようとしています。市長は、あれ程声高に主張し、市民と約束したことを、なんだと思っているのでしょうか?「日々成長している」と強弁する、あなたにとっては市民との約束など、どうでもいいことなのでしょうか?
「行政需要が増大しているから職員定数を増加することが必要!」という主張が通るのであれば、職員数は無限に増大することにさえなりかねません。「3月末で定年退職する再任用職員の多くが週5日の勤務を希望している。希望者は当然、全員5日勤務してもらう。週5日勤務する再任用職員は定数としてカウントされるので、この需要に応えるためには定数は増やすのが当然!」という話などは、あなたが議員であったなら、マニフェストの表現を借りると「公務員労組との馴れ合い」だと口を極めて罵るのではないでしょうか。
市長が掲げる、市政が目指すべき重要な方向性の一つが「持続可能な文教住宅都市」です。この言葉から連想する内容は人それぞれでしょうが、少なくとも財政の硬直化が進んだ状態で、質の高い文教住宅都市にふさわしい政策を十分、持続的に展開することができるとは私共には思えません。よって会派・ぜんしんは人件費を増大させ、本市の財政状況を一層、硬直化させることにつながる職員定数の増員には反対します。
以上、反対討論といたします。
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ここにも記された通り、公約に書かれた内容は市民との約束だったはずです。
そしてその期待を持って、今村市長が誕生したはずです。
しかし、今の市政は前河野市長と何ら変わりなく、改革とは逆の方向に流れています。
この流れは必ず抑えなければなりません。でなければ、今村市長に票を預けた皆様のお気持ちは報われません。今後もしっかりと公約を実現させるよう、厳しく追求して参ります。