樋之池公園が新しくなりました。以前は砂が硬く、中央には使い勝手の悪い木造モチーフが設置されていました。新しい砂場はその木造モチーフを撤去し、規模も少し小さくしてとても良い感じになりました。その他にも新しい遊具としてパンダさんが登場。娘もさっそく乗っていました。ただ、できれば1台ではなく2台は付けて欲しかったですという声も聞いてます。何はともあれ、こどもたちには譲り合いながら遊んで欲しいですね。
前回の続きとなります。以前の内容は内容はリンク先をご参照下さい。
【3月定例会・一般質問】就学前児童施設の適正配置と今後の整備について②
最後は「幼稚園の適正配置と入園への対応について」です。
私が住む地域では幼稚園に入園が叶わなかったというお声を多く聞いています。そこで、このようなお声のある地域では、幼稚園が足りていないのではないか?という仮説が生まれました。
保育所への入所は市が窓口となって願書の受け付けを行うことから、待機児童や入所保留者の把握が可能です。一方幼稚園については、本市の歴史的な背景から、幼稚園需要の大半を私立幼稚園が受け入れを行っていただいております。受け付け窓口は各幼稚園で実施されており、市は私立幼稚園に入園が決まった児童数を各園からのご報告によって把握しています。しかし保育所のような待機児童、つまり入園が叶わなかった児童の把握は出来ていません。また私立幼稚園では願書受付後の10月に入園する児童数が決定しますが、翌4月までの期間は転勤などによって児童数が大きく変動することや、併願、つまり1児童が2つ以上の施設に願書の提出を行っている実態など、園独自による実態の把握が困難となっている課題もあります。
そこで幼稚園への入園が困難となっている可能性について、情報を分析して調べてみました。
【資料】校区別3歳在家庭児童数(3歳児童総数ー3歳保育児童数)
これは平成28年度の在家庭児童数の人数を校区別に表したものです。在家庭児童数の算出方法については、入園問題の対象となる3歳児の学校区別人口を住基情報から引き出し、同じく3歳の学校区別保育需要、つまりすでに保育所を利用している3歳児童数を差し引いて算出しています。ここで示された在家庭児童とは、今回幼稚園に入園を希望している可能性が高い児童と言えます。学校区ごとに色が異なるのは、先ほどお示しした児童数の増減と同様に校区ごとの在家庭児童数を色によって表しており、在家庭児童が少ない校区は薄く、多い校区は濃くなっています。
図を見ると、西宮市の東側では3歳の在家庭児童数1,588人に対して公立及び私立幼稚園は合計で36施設となっています。一方で、西側では1,278人に対して18施設となっており、児童数に対して施設が明らかに少ないことがわかります。どこで線引きをするのかによって考え方も変わることや、幼稚園には校区が存在しないという課題はあるものの、保護者の送迎距離等を考えれば、居住地区にある幼稚園の入園を希望する可能性は高いことが予想されます。こうした考えを考慮すれば、保護者が希望する幼稚園に入園が叶わない実態は一定存在すると考えます。
仮に3歳での入園希望が叶わなければ、その児童は途中で私立幼稚園の定員に空きが出来るのを待つか、4歳になってから公立幼稚園などへ入園するか、芦屋市や尼崎市など近隣幼稚園への入園を検討しなければなりません。本市の東側に幼稚園の空きがあったとしても、送迎負担などを考慮すれば本市の西側で入園が叶わなかった児童の受け入れ先となる考えは現実性を欠いていることから、新たな対応が必要です。
当局とのやり取りは以下のとおりです。
【はまぐち質問】
市は幼稚園に入園が叶わない児童の存在を把握しているのか?また幼稚園への入園を希望する保護者の需要に応えきれていない現状についてどのようにお考えか?
市は保育の実施義務に基づき待機児童問題を改善しなければならないことは言うまでもないが、幼稚園への入園が叶わない児童についても、幼児教育の重要性と家庭で育児を行う保護者支援という重要な意味合いがあることから、放置してはならない問題であると認識している。今回入園を終えた3歳児童の保護者や、今後入園を予定している保護者を対象に、入園状況の実態調査や課題の抽出、今後の需要予測の為のアンケートを実施し、集めた情報を検証して改善に努めるべきだと考えるが市のお考えはどうか?
【当局答弁】
平成28年度当初の西宮市の年齢別就学前児童数の調査では、公私立の幼稚園または保育所等に入所していない児童は5歳で4.56%、4歳で5.80%、3歳で20.29%でした。この中にはプレスクール等認可外保育施設への入所者も含まれておりますことから、4・5歳ではほとんどの児童が何らかの教育・保育施設等に入所しているものと考えております。子育てをするにあたり、保育所、幼稚園、在宅での保育、保護者がいずれを選択するかについては、尊重されるべきと考えます。そのような保護者の子育てやライフスタイルの選択を可能とするよう、市といたしましても、あらゆる保護者のニーズを汲み、施策に活かしていく必要があると考えております。保育所の入所希望者については、入所申込を市が一括で受付していることから、待機児童の状況等を把握することも可能ですが、幼稚園の入園希望者については、各園が個別に入所申込を受付することから、現在のところ、市として、入園が叶わなかった児童の情報を直接把握する手段は持っておりません。しかしながら、来年度実施予定の公立幼稚園のあり方の検討や、保育所等待機児童における、いわゆる「3歳の壁」問題の分析、あるいは、在家庭の児童も含めた西宮市の子供たちの育ちを考えるにあたり、さらに精密に、状況分析等を行っていく必要があるものと考えております。今後、主に3歳児童の現在の状況把握に向けた手法等について検討してまいります。
【はまぐち質問】
今後「公立幼稚園のあり方について」について見直しを実施する時期に来ているが、保育需要が急激に伸びている現状や、変化する地域の児童数や偏差問題が原因とされる幼稚園施設の過不足状況なども勘案し、地域の需要に応じた公立幼稚園の役割について改めて整理すべきだと考えるが市のお考えはどうか?
【当局答弁】
平成27年1月に策定しました「西宮市立幼稚園のあり方について」の中には、「西宮市立幼稚園のあり方Ⅱ」の策定を平成30年度中に公表するとしています。したがって、平成29年度中に、幼児教育施設としてだけでなく保育施設としての視点も考慮しながら、市立幼稚園のあり方を改めて検討する予定です。その際には、市全体の就学前児童の幼稚園・保育ニーズだけでなく、市内各地域の状況を踏まえながら、検討することが重要であると考えております。
当局の認識としてまとめると
・子育てをするにあたり、保育所・幼稚園・在宅での保育、保護者がいずれを選択するかについては尊重されるべき
・保育所等待機児童における「3歳の壁」問題の分析、在家庭の児童も含めた西宮市の子供たちの育ちを考えるにあたり、さらに精密に状況分析等を行っていく必要がある
・平成29年度中に、幼児教育施設としてだけでなく保育施設としての視点も考慮しながら、市立幼稚園のあり方を改めて検討する
・市全体の就学前児童の幼稚園・保育ニーズだけでなく、市内各地域の状況を踏まえながら検討することが重要
という内容となりました。
前回の公立幼稚園を保育所に転換する提言では「休園後も子供たちのために利用されることが地域の活性化のためにも望ましい」と回答する一方で、「平成30年度中に公表を予定している『西宮市立幼稚園のあり方Ⅱ』の策定に向けて、幼児教育施設としてだけでなく保育施設としての視点も考慮しながら、市立幼稚園のあり方を改めて検討する」といった回答になっており、個人的にはかなり前向きな答弁を得たと感じています。
続きはまた次回書きます。