昨日は宝塚市立東公民館ホールにて、「宝塚市障害差別解消に関する条例・宝塚市手話言語条例施行記念フォーラム〜障がいのある人もない人も共に住みよいまち宝塚〜」に参加してきました。当日は多くの参加者や関係者をはじめ、宝塚市長や地元の兵庫県議会議員・市議会議員の方々も来賓としてご参加されていました。
フォーラムではこの条例をいち早く制定された明石市から、福祉部福祉総務課障害者・高齢者支援の青木志帆課長が「障害のある人もない人も共に暮らせる社会を目指して」という題目で講演を行いました。今定例会では、私が手話言語条例について取り上げたほか、我が会派の菅野雅一議員も障害者差別の解消に向けた取り組みについて質疑をしており、講演内容は大変関心が高く、勉強になりました。後半はパネルディスカッションとして、障がいのある方とない方がそれぞれの立場で意見を述べており、こちらもお互いの考えを確認できる大変意義深い内容でした。
障害者差別条例や手話条例は、人が生きていく上で当たり前にある権利を認め合う事が重要です。そしてこの条例は当事者だけでなく、むしろ障害のない方々にこそ認知して欲しいと感じています。本市もこれから条例の制定に向けた策定委員会が立ち上がり、議論を行います。まずはそれぞれの立場で考えをしっかりと伝えること、そしてそれらを共有することです。お互いの考えが明確になれば、お互いに配慮をし合いながら共存が可能となります。引き続き、この問題についてしっかりと取り組んで参ります。
前回の続きとなります。以前の内容は内容はリンク先をご参照下さい。
【3月定例会・一般質問】就学前児童施設の適正配置と今後の整備について①
次は『今後の就学前児童施設整備に対する考えについて』です。
現時点では保育需要が年々増加傾向にあること、市内すべての保育所が平均で2割程度定員の弾力化を実施していること、兵庫県下では女性の就業率が全国的に見ても低いことなど、保育施設の整備を進める根拠が揃っています。しかし本市の状況だけで適正配置や待機児童対策を検討するには情報が少ないと感じています。そこで他の自治体の就学前児童施設の整備と待機児童との関連性について調査を実施しました。
【資料】西宮市と人口が近い中核都市における各就学前児童施設の定員数と入所・入園実数のグラフ(平成28年度)
これは人口が西宮市と比較的類似した中核市10都市に対して、入所保留者を含めた待機児童の現状、各就学前児童施設整備の数や定員、入所・入園の実数などの情報を収集し、中でも比較的児童数が近い5つの自治体を取り上げ、西宮市と比較を行った表です。自治体名はイニシャルで表記しております。また基本情報として、上から市の面積、就学前児童総数、待機児童数と入所保留者数を記載しています。またグラフは上が定員数、下が入所実数となっており、施設の種別ごとに数を表しております。こうしてみると、西宮市より倍の保育定員数を設けている自治体や、本市同様に保育所よりも幼稚園の需要が高い自治体など、類似する中核市でも様々な特色があります。その中で1点看過出来ない違いを発見しました。それは本市の公立幼稚園の定員数と実数の乖離です。改めて資料の赤丸部分を見ると、西宮市の公立幼稚園は定員数3,000人に対して入園実数は1,022人となっており、およそ3倍の乖離となっています。他市の公立幼稚園における定員数と実数の差を比べてみても、本市は異常な数値と言わざるを得ません。適正配置の重要なポイントの1つとして、地域需要に沿った施設配置であるべきだと考えます。
本市で最も深刻な保育課題の1つに、3歳児童の受け入れ問題があります。西宮市の待機児童数は平成28年4月の時点で183人、入所保留者は636人にもなりますが、その内0歳から2歳児童の割合は待機児童数が117人で全体の63.9%、入所保留者は448人で全体の70.4%と高い比率になっています。保育整備3カ年計画では、小規模保育施設による定員確保は弾力化も含めて、0歳から2歳の受け入れ枠の拡充は3年間で330人となっています。しかし、地域型保育施設に預けた児童が3歳になった場合の預け先の確保について、公立保育所などで連携を図っていますが、連携が出来ていない事例もあることから、より積極的な対策が必要です。また3歳以上の保育は0歳から2歳と比べて公定価格が低く設定されていることから、3歳以上に限定した保育施設整備は民間から手が上がりにくいという問題もあります。
当局とのやり取りは以下の通りです。
【はまぐち質問】
本市の課題とされている3歳児童の受け入れ先問題の有効な対策を検討する中で、需要の低い公立幼稚園を需要の高い保育園・認定こども園へと事業転換することが有効であると考えるが市の考えはどうか?
【当局答弁】
休園となる市立幼稚園施設については、休園後も子供たちのために利用されることが、地域の活性化のためにも、望ましいと考えることから、教育・子育て関連施設として最も有効な活用を検討してまいります。
この項目では
・育需要がいつ高止まりをするのか早期に把握すること
・3歳児童の受け入れ先を確保すること
がポイントとなります。
保育需要の予測は確かに難しい課題です。また待機児童の解消は保育を必要とされる方々にとって重要であり、その為に必要な施設整備は確実に進めなければなりません。一方で本市は最初の就学前児童施設が整備されてから今日に至るまでの間、就学前児童施設を経営する市内民間事業者の方々によって、長年に渡り多くのこどもたちの受け入れを行っていただいたことも事実です。少子化と動向の見えない保育需要という狭間で、事業者の方々はいずれ供給が需要を超えてしまうのではないかという不安を抱えています。待機児童や保育需要に対応することは確かに重要ですが、それは今まで本市の児童福祉に多大な貢献をいただいた既存の幼稚園や保育所の方々への配慮も踏まえ、できるだけ新設をしないで既存の施設を最大限に活用した対応であるべきだと考えます。
まとめると
・定員数と実数の乖離から公立幼稚園は本市の子育て需要に沿っていない可能性が高い
・本市では地域型保育施設に預けられた児童が3歳になった時の預け先が不足している
・本市の待機児童数・入所保留数全体における0歳から2歳の割合が6割〜7割と高い
・3歳からの保育施設は経営面で難しく民間事業者は手を挙げにくい
・出来るだけ新設をしないで既存の施設を最大限に活用した対応が望ましい
という内容を勘案すれば、既存の公立幼稚園を地域需要に沿った形で保育所や認定こども園へと事業転換するべきだと考えます。
当局の回答は休園後の施設についてのみ言及しており、保育への活用ではなく教育・子育て関連施設として最も有効な活用の検討をするとなっています。しかし、この問題については次の「幼稚園の適正配置と入園への対応について」の部分で新たな展開があります。
また次回に書きます。