【3月定例会・一般質問】就学前児童施設の適正配置と今後の整備について①


昨日の出来事。小さな袋に入ったお菓子を私にも分けてくれました。とても優しい娘なんですが、自分の分は比較的多めになっているところはさすがです。

次の項目は就学前児童施設の適正配置と今後の整備についてです。

全国的にこどもの人数が減少傾向にある中で、西宮市では一部地域でこどもの数が増加しています。
【資料】過去5年間学校区別就学前児童数の増減(0〜5歳)


この地図は平成23年から平成28年の5年間において、0歳から5歳までの児童数の増減を学校区別に表したものです。赤色の矢印は児童数が増加した校区、黄色の矢印は減少した校区です。矢印の大きさが大きいほど増減の数値が大きくなります。また学校区ごとに色が異なるのは、校区別の児童数を色で表したものです。色が浅いほど児童数が少なく、濃いほど多くなります。左の表では平成23年度の児童数の順位、過去5年間における児童数の増減数、地区名、地区別児童総数となおります。この表を見ると、深津小校区・平木小校区などを含む広田2地区や夙川小校区を含む大社1地区、今津小校区・津門小校区を含む浜脇2地区、春風小校区・上甲子園小校区を含む上甲子園地区など5つの地区で児童数が大きく増加していることがわかります。

一方で西宮市全体の就学前児童数はこの5年間で1,511人減少しており少子化は確実に進んでいます。児童数の地域偏差が生じていることや、保育需要が伸び続けている難しい状況の中で、本市の就学前児童施設の適正配置と今後の整備に関連して
『本市の保育整備3カ年計画について』
『今後の就学前児童施設整備に対する考えについて』
『幼稚園の適正配置と入園への対応について』
この3つの項目で質問をしました。

『本市の保育整備3カ年計画について』

西宮市は平成29年度から3年間で保育所の定員を1,500人増やす計画を今後進めていきます。


しかし計画のうち場所の選定や手法など、未だ確定していない定員は600人となっており、半数近い人数となっております。また候補地が決まっている整備についても、地域との調整によっては施設整備が叶わない可能性もあり、計画通りに進むとは言い難い状況です。
以下私の質疑と市の答弁です。

【はまぐち質問】
1,500人という定員増の実現に必要な候補地の選定は行っているのか?また今後の保育需要が1,500人を超える可能性も十分考えられる中で、市は待機児童対策に有効な保育所整備が可能とされる土地をどの程度把握しているのか?計画に示された整備の着手について、待機児童の状況や地域需要を優先した計画となっているのか?

【当局答弁】
今後3か年で約1,500人分の受入枠拡大を目指す計画につきましては、昨年11月の教育こども常任委員会において約900人分の受入枠確保の目処がたったと申し上げたところですが、残りの約600人分の受入についても、引き続き、整備候補地の調査等、確保に向けた取組みを行っているところであります。今年度は、地域の実情を知るため、特に待機児童が多く整備が困難な地域を中心に、土地の現況調査を実施しております。これまで、新設保育所の土地の確保については全て保育所運営事業者に任せていたところですが、今後は、市としても有効な情報の収集や、事業者に対する情報提供等を積極的に実施し、地域の実情に合わせた保育所整備用地の確保につとめてまいります。

この質問の趣旨は「本当に整備できるのか?場所は大丈夫なのか?」ということです。

整備可能な土地が把握されていない中で、定員だけが定められていることには少々違和感を感じます。もちろん、全ての場所が決定している必要はありませんが、可能性としての整備地の把握は計画の実現性や実行性を考慮すれば最低限行うべきです。最近では候補地が決定しても地域の調整によっては整備が不調となる可能性が高まっています。また保育施設を整備する上で有効とされる駅周辺についても、整備地が不足している現状は以前からの課題でもあり、私も指摘をしています。今回の計画には閉校となった旧高須東小学校を活用したパークライド方式の検討も含まれています。確かに予定地は武庫川団地駅の近くではありますが、車での送迎に重点を置いており、駅近郊という今まで実施された保育所整備の方針とは若干異なってきています。西宮市には公立・私立合わせて66の保育所、56の地域型保育所、公立・私立合わせて58の幼稚園、6つの認定こども園など、すでに186箇所の就学前児童施設があり、平成28年度はおよそ15,500人の児童が施設を利用しています。一方で、市の面積は100.18k㎡ですが、保育所の待機児童問題は概ね南部に集中しています。こうした考えから保育所施設の整備における当該面積という観点では、西宮南部の面積にあたる51.75k㎡程度となり、他市との有効地の比較では小さな面積である、という考え方もあります。これらの保育整備の傾向を総合的に検証すると、西宮市の保育所整備の現状は難度の高い住宅密集地に及びつつあり、今後の待機児童や保育需要に対応できる有効な場所に限りが出ているのではないか、という懸念を感じています。

以前私は宅地建物取引業協会と連携して有効な土地の把握を行うよう提言しました。市が施設の整備を行う訳ではないものの、今後の保育需要がどのように推移するのかわからない状況であれば、有効地の把握は余裕を持って行うべきです。計画の実行に有効な土地の把握についてより詳細な調査を進め、余裕をもった把握に努めるよう要望しました。また就学前児童数の多い校区では保育需要も比例して高いことが資料でもわかります。特にこの5年間で大きく児童数が増加している6つの校区では、今後保育所の受け入れに課題が生じる、あるいは現状よりも悪化する可能性があると推察します。計画を進める上で、待機児童の解決や地域の需要に沿った整備を進めることも重ねて要望しました。

続きはまた次回に書きます。