西宮市では8つの体育館では、公益財団法人・西宮スポーツセンターが指定管理者となって各種スポーツ教室を実施しています。その中で就学前のこどもたちを対象とした親子でリフレッシュと幼児体操があります。受入れ状況は教室全ての受入枠1316人に対して、受入実数は1200名となっています。しかし一方でキャンセル待ちとなっている児童数は690名となっています。地域によっては募集状況に偏在が生じており、これらの教室を受講したいこどもたち全ての受入ができていません。(平成28年3月17日現在)
教室の受入れ枠は決して少なくはないと感じますが、このように需要が高い背景には子育て環境が過去の状況から大きく変化していることが要因の1つではないかと考えています。
下の表は総務省統計局に掲載されている全国の年齢階級別出生数を表にしたものです。そしてその下には昭和45年、平成7年、平成25年ごとの年齢階級別出生数を棒グラフにしたものです。
出産人口の総数は昭和45年から平成25年の55年間でおよそ90万人減少しています。世代別では29歳未満の構成比率は76.75%から37.58%とおよそ40%減少し、30歳から34歳の比率は横ばい、35歳以上の比率は4.71%から26.94%とおよそ22%増加しています。つまりこどもを出産する女性の比率は昭和45年では25歳から29歳が主体だったのが、現代では30歳から39歳へと変化しているのがわかります。
次に下の図は国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査です。ここでは平成15年から19年の間に結婚した夫婦が出生したこどもの数を表にしたものです。
この表を見ると出生こども数の比率は2人が半数を占めるものの、2人以上の出生こども数は全体的に減少している一方で1人が7.6%と増加傾向になっています。兄弟や姉妹がいる家庭では、こども同士で遊ぶ機会が多くなりますが、1人っ子の場合は2人以上のこどもがいる世帯と比べて保護者が遊び対象の主体となる機会が多くなることが予想できます。こうした育児を行う保護者の高齢化によって、こどもとの運動が十分に行えない環境に陥っているのではないかと考察しており、親子リフレッシュ教室などの需要が高い要因の1つではないかと考えています。
こどもの運動環境は発育の観点からも重要であり、こうした状況は改善されるべきです。
委員会において私は「事業の利用実態やこどもの発育における運動の重要性を考慮すれば、今後未就園児童を対象とした親子でリフレッシュや幼児体操は今後拡充していくべきだと考えるが市のお考えはどうか?」と質問をさせていただきました。
この質問に対して市は「指導員については、各体育館の窓口等の運営も担っていることや育成の問題、また場所の確保については、他の利用枠とのバランスもある中で、今後の拡充については、アリーナ以外の軽スポーツ室等の活用や1回当りの定員増もふくめて、柔軟に対応できるよう、財団と協議していきたい。」と回答しています。
ちなみに私の娘もこの教室でお世話になっております。
写真は去年行われたクリスマスイベントです。様々な運動を体験できることから、娘にとって貴重な運動の機会になっています。就学前児童の運動環境について、今後もしっかりと取り組んでまいります。