【完全版】市長の政治姿勢を正す決議案が全会一致で可決されました。【*質疑動画付き】

昨日の定例会最終日で議案第2号「市長に発言及びブログ表現の撤回や謝罪等を求める決議の件」が全会一致で可決されました。

<*【完全版】への修正について>
このブログは2016年12月20日にアップした『市長の政治姿勢を正す決議案が全会一致で可決されました。①』編集して完結させたものです。19日に行った市長との質疑内容について、いくつかに分けて書こうと思っていましたが、この話に長く付き合いたくないので今日で完結させます。当日の質疑を動画でアップしました。ただとても説明が長いので、下の方で文章によって要点をまとめています。

<質疑を終えた個人的な感想>
今回市長がこどもたちに伝えたかったことの例えが、なぜ喫煙行為や窃盗行為でなければならなかったのか。若き市長の良さを生かすのであれば、自身が得意なギターなど音楽で伝えられなかったのか。私は残念に思います。伝えたかった内容や趣旨には一定の理解はありますが、それを表す表現は明らかに不適切です。今回の問題発言は、犯罪行為を助長していると誤解される内容であり、教育現場の最高責任者である市長としてあってはならない発言です。また発言議員を揶揄した表現についても、侮辱と捉えられても仕方ない内容です。こうした失言によって多くの現場や市民の皆様に迷惑をかけていることを自覚していただきたいです。でなければ市民の皆様からの信用を失い、今後市長から発信される発言全てがそう捉えられてしまいます。それは西宮市にとって大きな損失です。市長は謝罪や撤回はしないと述べていますが、こどもたちに自身の失敗による経験を伝えたいのであれば、今回の件は素直に謝罪を行うことこそ取るべき市長の行動ではないでしょうか。この決議によって考え方を改めていただきたいと願います。

<市長に発言及びブログ表現の撤回や謝罪等を求める決議>

今村市長は11月27日に実施された市内在住中高生を対象とした市主催事業において、自身が中高生時代に、学校内の鍵を盗んで合い鍵を作り、警備員に猥褻な本を渡して買収し、部屋の利用を黙認させていた、授業を抜け出して学校内でタバコを吸うなどの不法・違法行為を常習的に行っていた、などと発言した。
そもそも市長は、行政の長として中高生に対しては模範を示すべき立場にあり、市の教育施策や教育大綱に反する逆説的表現で青少年の歓心を買うことがその任なのではない。
市が施策を通して目指す青少年の健全育成・薬物等の乱用防止という観点からも、市長が、未成年を対象とした市主催事業において、このような発言をすることはきわめて問題がある。

またその後、この発言と市独自のものだと自身が公表した「西宮市教育大綱」との整合性を問われた議会での質問に対しては、自身のブログで「ピンクのダサいスーツに黒縁眼鏡で「お下品ザマス!」って言っている女教師みたいなことを言うなぁ・・・」「80年代ロックのビデオなら、ザーマス女教師の最後はどっちかです。バンドやパリピたちにプールに叩き落とされて嗤いモノにされるか。それとも、パリピたちといっしょにバンドとダンスで盛り上がるか。」などとコメントしているが、これは公式な場で発言した意見及び議員を揶揄し、愚弄するもので議会としては到底看過することができない。

個人のブログと言えどもそれは市の代表者としての表現であり、反論や意見表明には適切な表現を用いるべきであるし、市長とは例え気に食わぬ他者や意見に対してでも最低限の敬意をもって対峙することが求められる存在でもある。
今回の発言者やその内容に対する対応に見られるようなこうした市長固有の問題体質は、かつて全会一致で可決された「テレビ取材に対する本市のビデオ撮影を止めるよう市長に求める決議」や、自身にとって好ましくない意見を持つ会派・議員について書かれたきわめて感情的で下品な批判メールを引用して過去の議会でも指摘されてきたが、様々な考えを持つ市民の幅広い行政需要に応え、より質の高い行政サービスを提供していくべき立場にある市長が、度々このように特異で不寛容な姿勢を示すことには重大な問題がある。
市長は平素より他者に対する敬意に欠けており、感情的で軽薄な表現をしばしば用いることによってその信頼を失墜させ、延いては市政の円滑な推進の妨げとなっていることを深く自覚し、反省すべきである。
西宮市議会は以上に鑑み、公人としての立場を逸脱した発言及びブログ表現をあらため、愚弄した当事者と市民・関係者に然るべき場で謝罪すること、また今後はすべての他者に対して当たり前程度の敬意を保ち、市長として発する言葉の重みについてよく自覚するよう求めるものである。
以上、決議する。

平成28年12月19日     西 宮 市 議 会

ことの発端は過去の私の記事からご確認ください。

一般質問が終了しましたが市長の態度に憤りを感じています

この件について、私が市長に対して質疑を行いました。
まず、議会の場においてこのような非生産的な質問をしなければならないことについて、西宮市民の皆様に深くお詫びを申し上げます。

質疑の内容は以下の動画で確認できます。(約50分)
2016年12月定例会 「市長に発言及びブログ表現の撤回や謝罪等を求める決議」質疑動画

市長の回答が極めて長いので、要点をまとめたものを以下に掲載します。ご参考ください。

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◆違法行為、犯罪行為への認識と、一線とは何を指すのか?

【市長答弁】
犯罪行為である。
犯罪行為をなくすべき。過去薬物乱用の経験がある人、そこから抜けられた人が危険性を説くことは一般的にあり得るべきもの。過去やったことをよくないことだと反省し、みんなにやめて欲しいと伝えるのは、誰が話すよりもやってみたが良くなかった、そう思っている人が伝えるというのは啓発という仕事についてはあり得る

一線を越える超えないというのは
こどもの頃やった不法行為というのがさらにエスカレートして本格的な犯罪行為となるかどうか、それによって人生を潰してしまったりしなかったりするか。そういうとろが一線を越える越えないだと思っている。

◆表現は適切だったのか?

【市長答弁】
彼らが居場所として求めたものは「ちょっとくらいはしゃいでも、ちょっとくらい無茶してもおこられない場所」と言っていた。その中で彼らは「信用できる大人がいて」という言い方をした。こどもたちは大人たちを完全に信用してない。彼らが一線を越えたわけじゃないと思っていることをことさら大きくして極端にしかられたりすることに彼らはうんざりしている。彼らは「一線を超えない範囲なら無茶をしてもいいやんか。大人はいてもいいけどしかってきたり、頭ごなしに何か言われたりしない。そんな環境こそが欲しい。」と彼らと話をして理解した。

自分は西宮のルールを執行する立場にいる人間かもしれない。でも彼らに対しての愛情と敬意はもっている。それを自分の言葉で伝えないと彼らには伝わらない。本気でものを伝えるということをしてきたつもりなので、そういう自信と経験から得た技術を持って、彼らにものを伝えようとした。よってこのメッセージは適切なものだった。

◆過去の経験談について反省を伝えたのか?

【市長答弁】
自分が現在をもってして、窃盗犯にもなっていなければ薬物中毒患者にもなっていないことこそが、最大の反省である。

◆アンケートの回収はどの程度か?

【こども支援局長】
18件。

◆出身校への悪影響はないのか?

【市長答弁】
影響はない。

*12月20日の読売新聞の記事学校関係者の方がコメントとして「報道での一連の発言をお聞きする限り、居酒屋で武勇伝を自慢しているような印象。真意は測りかねるが、卒業生がこのような形で世間を騒がせ、残念だと話し、この問題について学校にも抗議の電話が寄せられている。

◆あの揶揄は発言した議員だけでなく教職員をも侮辱していないか?
*現時点で問題とされた内容は修正しております。

【市長答弁】
大変柔軟な対応をできる先生たちに温かく育てていただいた自分からすれば、なんとも四角四面な話をされるなぁと思った。でもそれを例えば軽蔑する気持ちであるとか、それに対して敵意を持って攻撃したような気持ちは全くない。むしろ「そういう違う考えの人もいるんやぁ」と思ってちょっとびっくりしたーみたいな気持ちで見ていた。

ピンクのダサいスーツに黒縁眼鏡で『お下品ザマス!』って言っている女教師
一般的にコメディーに良く出てくるパターン。「四角四面な先生の言いそうなこと」という意味で表現した。愚弄するつもりではない。

四角四面な教師に対してやりこめたりするつもりはなくて、むしろ考えが違うけどもそういう一色議員とも一緒にこどものこと楽しく話せるじゃないですかっていうパターンのドラマで終わりたいですね、という風にブログは閉じた。よって自分は愚弄したつもりもなければ、攻撃したつもりもなければ、だからと言って四角四面に反論するのは極めて無粋なことだと思うので、西宮市の子供達に対して愛情や敬意があるから、お互いにあるからそれぞれメッセージを発信しているわけで、でも西宮のこどもたちのために仲良くなろうよ、という意味を込めた。一般的な読解力があれば読んでいただけると思って書いたつもりだ。

◆教育大綱との整合性は取れているのか?

【市長答弁】
取れている。

◆市職員や市内学校の教職員への悪影響について

【市長答弁】
中高生からアイデアを取ろうというこども支援局の事業に対して、その本気に対して敬意があるからこそ、こういったメッセージを発信した。議会でこのような決議をご議論いただくになったことについては本当に情けないことだが、ごめんなさいでしたと、調子乗りすぎましたと、例えば言うとしたらそれは、あの時自分がメッセージを発信したかった18人に対して大変礼を失したことになる。こども支援局の職員たち、ないしは西宮すべての学校現場でこどもに対して真剣に向き合っている職員に対して最大限の敬意を自分は持っている。そういった敬意を改めて西宮市民の皆様から持っていただきたい。

◆西宮市への苦情や対応に関する影響は?

【政策局長】
先週末で150件強。そのうち批判的な意見は131件市政への影響はある
主観的な観点ではあるが、過去の苦情と比較して多いと見受けられる。

*2016年12月20日17時30分現在の最新状況 全体で317件、批判的なもの258件、賛同するもの49件、どちらでもない10件。

◆市民生活に関わる多くの部署に迷惑が掛かっていないか?

【市長答弁】
自分が中高生に対して不良自慢をしていることによって市に苦情が殺到しているのであれば、十二分に市役所に迷惑をかけていることになる。しかし私の発言は参加した中高生に対して敬意を持って発せられたもの。この反響は自分の発信を間違った捉えられ方によって起こったもの。真剣に発したメッセージがこのようになるのは驚いている。

◆西宮市ブランドへの影響は?

【市長答弁】
子育て世代ではなく、先生達ではなく、子供達にフォーカスしたい。子供達を育てている親が楽な街であったりとか、子供達に接する教員が面倒を受けない街ではなく、子供達が豊かな育ちを得る街を作りたい。波風がたたないように、保護者から誤解を受けないように、メッセージをするのではなく、参加してくれた18人を信用して、彼らに敬意を持ってメッセージをする。これは西宮市のこどもの育ちに真剣に向き合ってこどもに敬意を持ってなされるまちづくり。むしろこういう場で改めて具体的にお話をさせていただけたことはありがたいと思っている。

◆松永副市長は市長に注意にしたのか?

【松永副市長】
一色議員の質疑の夜、問題ブログのアップ前に「市長としての言動行動について注意していただきたい」と発言した。これに対して市長は「自身の意見についてはブログで説明する。」といった。

◆今までの支持者が明確な不支持に回っているが?

【市長答弁】
自分が2年半前に選挙で強力な指示団体がない中で現職(河野前市長)と選挙をするチャレンジをした。当選した理由は自分の強いメッセージだった。市長になった以降でやめることはできない。

政治は違った価値観の方もいる。そういった方から時には批判を受けることは考えられる。これからも発信はしたい。ただし今回のように不用意な取り上げられ方をして問題になって多くのロスが生まれていることは自分の本意ではない。これまでも慎重にしているが、これからも慎重していく。

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