本日より9月定例会が始まりました。会期は10月5日までの36日間です。
今回は9月9日(金)午前10時に一般質問の出番があります。
最終日の一番最後という順番になりました。
お時間のある方は、ぜひ議場にて傍聴いただければ幸いです。
若干緊張しておりますが、市民のみなさんにとって有益となる質問が行えるよう頑張ります!
私が取り上げる一般質問の1つに、西宮卸売市場の再整備事業があります。
西宮卸売市場は昭和初期に開所した歴史ある市場で、長年に渡って西宮市の食品流通を支えてきました。しかしながら
・大手スーパーの増加によって流通事情が変化し、取扱量の減少によって経営が悪化したこと。
・阪神・淡路大震災によって施設に大きなダメージを受け、さらに経営に悪影響を受けたこと。
などによって、現在西宮卸売市場は厳しい経営環境となっています。
長年に渡って解決に向けた取り組みを行ってきましたが、課題となっていた登記の整理が進み、コンサルティング会社が再整備に向けて市場の関係者と日々の議論を重ねています。ここ最近になってようやく長年の解決に向けてへの目処が見えつつあります。これはとても評価できる内容であり、ここまでご尽力下さった西宮市をはじめ関係者の皆様には大変感謝しております。
しかし、今後卸売市場の継続を希望する企業や個人の皆様にとっては、新たな再スタートが可能な民設民営による卸売市場再整備という越えなければならない最後の課題が残っています。
この再整備には約15億円が必要であるとのコンサルティング会社からの試算が出されています。
ここに国や県からの補助金が入り、市場を継続する方々が準備しなければならない資金はおよそ3億円程度になるそうです。この費用に対して、継続を希望する方の一部から不安の声が出ています。
そんな中、民設民営ではなく市が税金を投入して土地の購入や建物を整備することを市が検討しているという噂を耳にしました。確かに近郊にある市場の多くは公設民営(市が土地を取得し施設整備を行ったあと、民間へ管理を委ねる)によって運営されています。西宮卸売市場の中にも公設民営で行っているところがいくつか存在します。仮に民設民営の手法ではなく、公設民営という形で市税を投入するのであれば、市税を投入するための明確な根拠が必要です。具体的には、西宮卸売市場が西宮市民に与える影響、つまり西宮市内の食品流通市場への影響などが挙げられます。もしこの根拠もないまま、この公設民営の話が進められれば、市場を継続する市場関係者だけでなく全ての市場関係者に対して、西宮市民にとって有益とはなり難い市税の使い方に、疑問を持つ市民からの批判を受けかねない事態になることを大変心配しています。
私の祖父、濱口三郎は、西宮卸売市場で乾物の卸問屋を営んでいました。
経営は3人の息子たちに引き継がれ、最終的には今年亡くなった私の父、濱口敏明が個人経営として最後まで濱口乾物を引き継ぐことになりました。こどもの頃は正月など一緒に早起きをしてお店の手伝いをしたことを記憶しています。当時の西宮卸売市場はまだ賑わいを保っていました。
私が23歳くらいの時に、父にお店を継ぎたいと申し出ましたが、父は私に
「この業界はもう長く持たない。お前は自分で稼ぐための仕事を探せ。」
と断られたことを思い出します。
もうこの頃から、父は食品流通の変化に卸売市場は対応できないことを悟っていたのかもしれません。結果として、私は25歳で飲食店を起業し、16年間経営したのち、今は市議会議員という立場にいます。今は母が細々と父の後を継いでいます。体の心配もあったので「早く辞めた方がいいよ」と話したところ「今までお世話になった取引先には迷惑かけたくないから、という父の遺言だから」と言う理由で、毎朝5時に起きて市場に通っています。もうほとんど儲けなどありません。どちらかと言えば続ければ赤字になるくらいです。でも、父は経営者としての引き際をちゃんと考えていた矢先に、体の不調で叶わなかった父の思いを今は母が引き継いでいます。
父は経営者として、何を大事にしなければならないか、ということを教えてくれました。起業するのも個人の意思。辞めるのも個人の意思。続けることも同じです。その方々の未来をつなぐために、西宮市はコンサルティング会社にその大役を任せていると認識しています。現状において、本当に民設民営に向けた案が出尽くしたのか、議論をし尽くしたのか、ちゃんと具体的な数字も含めた提案を行って、事業者が決心出来る提案を出せているのか。全てにおいて疑問です。現状の卸売市場が悲観的な状況だと断定もできません。もちろんハードルは極めて高いですが、少なくとも継続を希望する事業者の中には、新しい発想やノウハウを持った経営者もいます。卸売市場の実情は厳しいかもしれませんが、西宮卸売市場の新しい形に展望もあると感じます。この西宮卸売再整備で最も大事なことは、継続を希望する方々の、継続に対する本気です。これがなければ、民設であっても公設であっても未来はないと思います。
どうか、コンサルティング会社と経営者の中でもやる気の高い方々とで、民設民営による新しい卸売市場の形を築いて頂きたいと切に願っています。その為であれば、私は努力を惜しまない覚悟です。