今日は民生常任委員会で消えた防犯灯335基について調査結果が報告されました。
この問題のきっかけは、昨年アップされた同じ会派の澁谷議員によるブログの記事でした。
昨年行われた防犯灯直営化に向けた設置の確認調査を行ったところ、不明な防犯灯が335基見つかります。
それって補助金を不正に受け取った人がいたという話ではないんやろうか???@防犯灯の話
この記事を読んだ新聞記者によって、問題は広く市民の方々に共有され、注目されました。
その後、澁谷議員の一般質問によって消えた防犯灯の調査を確約させます。
消えた防犯灯の謎を追え!! ①
消えた防犯灯の謎を追え!! ②
消えた防犯灯の謎を追え!!③
今日はこの消えた防犯灯に関する調査の結果報告が行われ、調査結果に伴う今後の対応について、民生常任委員である私が質問をさせていただきました。
まず当局からの報告は以下の通りです。
不明だった防犯灯335基のうち、72基については再確認の結果存在しました。
実際には263基が不明である、ということになります。
防犯灯は西宮防犯協会と甲子園防犯協会が主体となって管理・運営を行い、その活動に対して市が補助金を支給しています。
不明な防犯灯が存在することにより、「補助金を不正に取得している可能性」が指摘されました。今回の報告では、過去に防犯灯が存在していたことが一定確認できたことで、不正に取得していたという事実は存在しないという結果となりました。
しかしながら、
・存在しない防犯灯に対して関西電力へ防犯灯40基分の電気料金653,482円を支払っていた
・契約が存在しない補助金を防犯協会に対して6年間で計4,259,799円支払っていた
という問題があります。
関西電力に支払った電気料金653,482円について、市は「現在返還が可能かどうか協議中」とのことですが、契約上に基づく支払いなので返還される可能性は極めて低いと個人的には感じています。
次に、防犯協会に対して6年間で計4,259,799円支払っていた過誤支給については、西宮及び甲子園防犯協会に自主返還を求めるとの説明を受けました。
ここから私は以下の質問を行います。当局とのやり取りも含めた内容は以下の通りです。
<質問>
返還される見込みはあるのか?
<回答>
既に甲子園防犯協会からは自主返納する旨の回答をいただいております。一方、西宮防犯協会につきましては理事等役員に諮る必要があるとのことで、現在までのところ回答はいただいておりませんが、相当額の基金を保有されていることから、返納していただくことは十分可能であると考えております。
<質問>
返還に応じない可能性もあるが、その場合の市の対応は?
<回答>
返納いただけない場合は、補助金等の取扱いに関する規則に基づき、補助金交付決定の一部取り消し、返還を求めるという事態も想定されます。
<質問>
過誤交付額の返納はあくまで多く払いすぎた補助金の返還に過ぎず、責任を取るという認識には至らない。こうした補助金の管理・運営の責任の所在を、市はどこにあると考えるのか?
<回答>
市、協会本部、支部・分会と構造的な問題があったことや、防犯協会の組織や活動のあり方に起因する問題が複雑に絡み合って生じたものと思われます。
<質問>
先の回答だと、防犯協会全体に問題があると聞こえてしまう。実質的なお金の管理・運営は誰が責任をもって行っているのか?
<回答>
補助金の適正な執行管理責任は、防犯協会の本部になると考えます。
<質問>
特に西宮防犯協会においては不信の声を聞いており、すでに支部を脱退する地域もあると聞いている。地域の防犯活動に支障が生じる恐れがある中で、市は今後の防犯協会のあり方についてどうお考えか?
<回答>
防犯協会は地域の防犯活動を取りまとめ、防犯活動のアドバイザー等として必要であると考えていることから、西宮防犯協会については、今後組織や活動のあり方を見直し、体質改善を図るよう促してまいります。
<質問>
市長は防犯協会の名誉会長であることから、今回の防犯灯問題の責任を取らせるべき相手、先ほど回答にもあった西宮防犯協会の本部に対して、減給または辞職など、市民が理解しやすい責任の取らせ方を促すべき立場にあると考えるが?
<回答>
自主返納をいただくということは、防犯協会としての責任を取るものと考えております。また、西宮防犯協会は任意の団体であり、市が直接的に減給または辞職などの処分を行なうことはできませんが、組織や活動のあり方などにつきましては、根本的に見直し、体質の改善を図るよう指導をしてまいります。
<質問>
同じ任意団体である市民共済の件では副市長に指示を行い、人事介入と思しき行為も行っていることが明らかとなっている。この件について整合性はとれているのか?
<回答>
市民共済の件は、市の現役職員が関わっているのに比べ、西宮防犯協会は、市のOB職員であるという点で、性格が少し違うものと考えます。
<質問>
今回の定例会での防犯協会に対する市長の見解と、市民共済での行動には齟齬があるのは明らかである。繰り返しになるが、市長は防犯協会に対して厳格に対応すべきだと考えるが?
<回答>
今後の防犯協会のあり方については、委員から頂いたご意見等も踏まえ、市として検討してまいります。
今回の質問のポイント、そして明らかになったことをまとめると次の通りとなります。
・過誤支給を返還することが問題の解決という認識には至らない。
・今回の問題について、その責任の所在は防犯協会の本部にある。
・特に西宮防犯協会は、日頃の防犯活動について支部・分会から不信感を抱かれており、体質改善が必要である。
・市長は防犯協会の名誉会長であり、この問題について厳しく追及する責任がある。
重要なことは、責任の所在を明確にすることです。
防犯協会全てが悪いわけではありませんし、これまでも、そしてこれからも地域の防犯活動は重要です。しかし、責任の所在を明確にしないまま、この問題をうやむやにしてしまえば防犯協会の不信感は拭えません。それは決して地域にとって有益なことではなく、市はしっかり対応すべきです。また補助金を支給している市としても、今後は防犯灯問題に関わらず管理体制の見直しを図るべきだと考えます。
今後もこの問題を含め、しっかりと指摘をして参ります。