NHKスペシャル「ママたちが非常事態!?~最新科学で迫るニッポンの子育て~」について①

2016年2月3日(水)午前0:10に再放送されたNHKスペシャル「ママたちが非常事態!?~最新科学で迫るニッポンの子育て~」を視聴しました。
https://www.sukusuku.com/contents/32646

現代の子育てにおける課題を科学的に検証するというもので、タイトルも気になったので見ることにしました。
偶然に見つけた番組でしたが、気がついたらパソコンにレポートを書きながら見るほど関心の高い内容でした。

この番組では5つのテーマについて科学的な検証を行っていました。
①子育てに不安で孤独を感じるお母さん。共同保育を促すエストロゲンの働き。
②乳児期に起こるこどもの夜泣きは胎児期のリズムと同じだった。
③2歳すぎから始まる「いやいや期」はこどもの成長過程に起こる必然的なもの。
④ママへの準備。出産前から子育てに携わることで母性を育てることができる。
⑤出産から授乳期間にお母さんから分泌されるホルモンがイライラの原因。

私もそのテーマにそって内容の説明と、この内容を踏まえた子育て環境への個人的な感想を書きたいと思います。

①子育てに不安で孤独を感じるお母さん。共同保育を促すエストロゲンの働き。

こどもを育てるお母さんが、出産後にうつ病となる発症率は一般的なうつ病の5倍以上だと言われています。
核家族化によって近年の子育て環境が変化し、お母さん1人で子育てをする機会が増えたことが要因とされています。
子育てのお母さんがうつ病になりやすい原因として、エストロゲンというホルモン分泌の存在があります。
エストロゲンは女性ホルモンのひとつで、卵胞ホルモンとも呼ばれます。
エストロゲンの作用には子作りや子育てに必要なものが多く含まれており、出産時に最も多く分泌されます。
そして出産後はこのエストロゲンの分泌が低下することで、うつ病になりやすいことがわかっています。
子育て期間中にお母さんが孤独や不安も感じるのも、このエストロゲンの減少が要因だとされています。

カメルーンの熱帯雨林で生息するバカ族(森を移動する人という意味)という民族がいます。
この民族では多子家族が多く、民族間の子育てにおいて共同養育という仕組みが確立されているのが理由とされいます。
映像では仕事で出かけた母親のこどもに対して、こどもを預かった他人の母親が母乳を与えるシーンが映されました。
他の母親も自分のこどものように育てるこの仕組みが、母親の子育て負担を軽減していることで多くのこどもを授けられると説明されていました。エストロゲンが出産後に減少してお母さんが孤独感や不安感を抱くことは、実は周りに対して子育ての協力を自然に頼ることができる働きを促している可能性がある、と番組では指摘していました。

東京の池袋では1万人ものママ友が集まるイベントが開催され、こどもを通じて互いにメール交換などをしていました。
実はこのママ友が集まる、という現象は日本独特のもので海外では見られないそうです。
唯一の共同養育仲間である夫が育児や家事に参加する時間は欧米と比較しても1時間以上短いことや、ベビーシッターなど共同養育と同様のサービス利用率も低いことが、この現象の要因だとされています。

◆エストロゲンというホルモン分泌の影響
◆共同保育の環境が整っていない日本の現状

この2つの原因が

◆母親が子育てによってうつ病になりやすい状況にある
◆このような原因はこどもが増えない環境も助長している可能性がある

と、この番組では指摘しています。
つまり、本来なら頼るべき子育てを、日本ではお母さん1人で無理をしながら育児する環境になっている、と言えます。

②乳児期に起こるこどもの夜泣きは胎児期のリズムと同じだった。

子育てをするお母さんであれば、多くの方が体験する乳児の「夜泣き問題」。
なかなか寝付かないこどもを、お父さんと一緒になって交代で寝かしつけるといったお話は良く聞きます。
出張などで家にいることが少ない家庭では、お母さんが1人で対応していることも少なくはないでしょう。
通常でも大変な子育てに加えて、乳児の夜泣きは子育てをする親、特にお母さんの気力や体力を一気に奪います。

この「夜泣き」についても、科学的な解明が進んでいるようです。
こどもがまだお母さんのお腹の中にいる頃、胎児は昼と夜が逆転していることが科学的な調査でわかったそうです。
胎児はお母さんから栄養を分けてもらいながら育っていきます。
お腹にいる期間はお母さんの体に負担を掛けないよう、昼間ではなく夜に栄養を摂るそうです。
この胎児期間のリズムが、出産後も影響されることから乳児は夜になるとなかなか寝れないのだそうです。
新たなリズムに対応する期間である一方で、乳児も対応できずに泣いてしまうのでしょうね。

番組ではこどもを持つ親の離婚で最も多いのは、こどもが0歳から2歳児の期間であるという調査結果を示していました。
理由がわからず夜中の間ずっと泣き止まないこどもへの対応が、夫婦の体力や気力を奪い、お互いちょっとしたことで喧嘩になることが、この期間における高い離婚率の要因にもなっている可能性は否定できません。

こどもがなぜ泣いてるのかわからず苦悩している親も多いことと思いますが、理由がわかれば寄り添えるとおもいます。
リズムに慣れるまでは、こどもも親も頑張らないといけないですね。
パートナーであるお父さんも可能な限り助けてあげる、お母さんの負担を軽くしてあげることは重要だと感じます。

今日はここまで。続きはまた次回書きます。