兵庫県会議員が平成26年度に阪神間の6市で提供された学校給食における異物混入の件数を請求し、その結果が今朝の各新聞で発表されました。
詳しい記事の内容は以下の通りです。
http://www.sankei.com/west/news/151202/wst1512020013-n1.html
確かに食材以外の異物混入はあってはならないことです。
この数字を真摯に受け止め、給食に関わる全ての関係者が異物混入に対して厳重に対応を行わなければなりません。
一方でこの記事の表記では、見る人によって西宮市や尼崎市が特に異物混入件数が多いと感じてしまうことから、今回報告された数字だけで異物混入の対応全てを判断されてしまうことに違和感を感じています。
各市の給食を実施する学校数、調理形式、1校あたりに換算した場合の混入件数をまとめてみました。
<西宮市> (自校調理場式)
小学校40校、中学校20校、特別支援学校1校 計61校
【1校あたりの混入件数 約1.45件/年】
<尼崎市> (自校調理場式)
小学校42校、特別支援学校1校 計43校
*定時制高校に対して、民間委託によるお弁当を支給しており、この中で異物混入の報告があった4件も含まれる。
【1校あたりの混入件数 約1.50件/年】
<伊丹市> (センター調理場式)
小学校17校、特別支援学校1校 計18校
【1校あたりの混入件数 約1.44件/年】
<宝塚市> (自校調理場式)
小学校24校、中学校12校、特別支援学校1校 計37校
【1校あたりの混入件数 約0.32件/年】
<川西市> (自校調理場式)
小学校16校、特別支援学校1校 計17校
【1校あたりの混入件数 約0.70件/年】
<芦屋市> (自校調理場式)
小学校8校
【1校あたりの混入件数 約0.12件/年】
*平成26年度に異物混入報告の対象となった学校数です。
この表をご覧頂いた上で、この記事に対する私の考えとして
◼︎報告された数字には、各市で給食を実施している学校数や調理様式、異物混入報告の基準などが考慮されていないことから、今回の数字が異物混入の状況を正確に反映したものではないという見方もある。
◼︎異物混入の報告について、報告内容や対応は各市によってさまざまであり、こうしたなかで件数だけを比較することは正確性に欠ける。
と感じております。
10月にいくつか学校給食現場を視察させて頂きましたが、異物混入への取り組みはしっかりと行っていると感じました。しかし必ずしも「絶対に安全です」とは言えず、西宮市の学校給食には異物混入に対する課題もあります。
今回の記事で報告されている「異物」には
◼︎絶対入ってはいけないもの
◼︎食物由来(魚や鳥の骨、米飯で発生する固形化した米ぬかなど)のような異物とは断定しにくいもの
◼︎虫や髪の毛など配膳中や食事中に混入する可能性のあるもの
が含まれており、明確に区分を行う必要を感じています。また
◼︎異物混入報告書において改善に必要な情報の記載に関する見直し
◼︎異物混入報告書の内容を踏まえた異物混入の経緯や原因に対する具体的な対策の見直し
◼︎調理現場での虫や髪の毛などの異物混入に対する、具体的な対応策の見直し
などやるべきことはあります。
今後も学校給食についてしっかり研究して参ります。