2<子育ての街西宮にふさわしい公園のあり方について>
公園はこどもたちの育ちの環境において重要な役割を担っています。そして公園の環境がこどもの育成に大きな影響を与えることは、平成26年に国土交通省が発表した、「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」にも明確に記されており、公園環境を良好な状態で管理・維持を行うことは、管理者である本市の重要な役割であると言えます。
しかし現実には、空き缶やペットボトル、コンビニエンスストアで購入したお弁当のゴミ、タバコの吸殻など、多くの公園でポイ捨てが行われています。中にはガラスの破片や壊れた傘など、こどもが怪我の原因となる危険なゴミも存在し、このような状況でこどもたちを遊ばせることは不適切であるため、改善をしなければならない課題であると考えます。
公園の環境を改善するために、本市では住民参加による定期的な清掃活動を行っており、平成25年度の実績では、237箇所の公園で、のべ59,951名の市民が参加し、ポリ袋39,078個分のゴミを回収しました。このような活動以外にも、公園の近所に住む住民や地域団体の自主的な清掃活動によって、利用者の多くが知らないところで、公園は綺麗な環境を保たれています。しかしながら、これだけの方が清掃活動に参加しても、依然ゴミのポイ捨てが後を絶たず、今もなお多くの公園でごみを見かけます。このような背景には、やはり公園を利用する一部利用者のマナーが低いという現実がある、と言わざるを得ません。
公園を利用する方の中には、近くのコンビニエンスストアで購入したお弁当や、自販機で購入した飲み物を持ち込む方もいらっしゃいます。そしてこれらが公園のごみ箱に捨てられていることも多くあります。しかしながら、公園に持ち込まれたこれら飲食によって生じたゴミは、本来持ち帰って自宅で処分されるべきものです。あるいは販売事業によって生じたゴミであることから、コンビニエンスストアで購入したものは、コンビニに設置されたごみ箱へ、自販機で購入した飲料は、自販機の側にある専用ごみ箱にて処分すべきだと考えます。また公園のごみ箱に、生活ごみを捨てる極めて迷惑な行為も実際に起こっており、平成23年から平成27年8月10日現在までの期間に、生活ゴミの問題が原因で、地域住民の要望によって実際に撤去された公園のごみ箱は、46箇所で75基となっております。
また公園に持ち込まれたごみは、分別をせずにごみ箱に捨てられているという問題もあります。本市では「平成30年に25%のごみ減量」を目標とした、「ごみ減量推進計画」を策定しており、ごみ減量等推進員制度では、ごみの分別や排出抑制を推進しています。またチャレンジにしのみや25では、こどもたちに「ごみの減量で重要なことは分別を行うこと」と指導しています。こうした点を考えれば、分別を行わずに捨てる公園のごみ箱は、この大きな方向性に逆行した形となっています。
このような公園に設置されたごみ箱のゴミ回収には、平成27年度の予算として、38,940,741円が計上されています。しかし今までに述べた現状を考慮すれば、公園のごみ箱に関連する予算は、むしろ地域活動への支援やさらなる活性化、ポイ捨てを行わせない啓発活動などに充当したほうが、根本的な問題解決になると考えます。
それでは以上の内容を踏まえて3点質問いたします。
【質問6】
質問で述べた通り、公園には生活ゴミやコンビニで購入された後のゴミなど、さまざまなごみが持ち込まれています。市はこのような現状を把握しているのでしょうか。また把握しているのであれば、こうした現状について、どのような認識を持っているのでしょうか。
【質問7】
先ほどの質問で述べた通り、公園では様々なゴミが分別されることもなく廃棄されています。こうした現状は、ごみ減量等推進員制度でごみの分別や排出抑制を推進していることや、チャレンジにしのみや25でこどもたちに「ごみの減量で重要なことは分別を行うこと」と指導していることに対して矛盾します。こうした現状について、市はどのような認識を持っているのでしょうか。
【質問8】
過去5年間で、市内46箇所75基の公園に設置されたごみ箱が撤去されております。これは生活ごみの廃棄等が原因となり、地域の要望で撤去されたものであると認識しておりますが、この認識は正しいでしょうか。また正しいのであれば、地域、あるいは市民から公園内のごみ箱撤去について要望があれば、市は積極的に対応していく方針であると理解して良いでしょうか?
以上3点についてご回答をお願いします。
【当局答弁】
2番目の「子育ての街西宮にふさわしい公園のあり方について」のご質問にお答えいたします。
まず、「公園のごみ箱に生活ごみなどが持ち込まれていることについての、現状把握と市の認識」でございますが、市は公園の巡回時や通報時の点検等により、一部の公園で、ごみ箱に生活ごみなどが捨てられている現状を把握しております。これらの行為は、公園利用者や周辺住民にとって、大変迷惑な行為であるため、市としても対応に苦慮しているところでございます。
次に、「公園のごみが分別されていない現状を、どのように考えているか」についてでございますが、現在、公園のごみ箱は、ごみの分別に対応できておらず、分別用のごみ箱を設置するには、多大な費用がかかり、現在のごみ箱のまま、分別回収を実施するにも、収集費用が増加するなど、分別回収への対応は、困難な状況でございます。
最後に、「公園のごみ箱について、撤去の要望があれば、今後どのように対応していくのか」についてでございますが、ご指摘のように、現在の公園のごみ箱は生活ごみが捨てられていることや、分別回収が困難であるなどの問題があることから、将来的には、撤去していく方向で考えております。このため、今後、既に生活ごみが持ち込まれて、問題が発生しているような公園から、順次、地域の皆様と相談しながら、ごみ箱の撤去を進めてまいります。
【はまぐち意見・要望】
【質問6】の「公園におけるごみの現状は把握しているのか」という質問に対して、「公園の巡回や通報などの点検によってごみ箱に生活ごみが捨てられる現状などを把握しており、公園利用者や周辺住民への迷惑行為に市としても対応に苦慮している」とのご答弁をいただきました。
さらに【質問7】の「公園のごみ箱でごみが分別をされないまま捨てられていることへの市の認識」についても、「公園のごみ箱は分別が出来ておらず、分別可能な環境において、新たな分別用ごみ箱設置費用や、分別されたごみの回収費用など、対応が極めて困難である」とのご答弁もいただきました。
以上の答弁内容から、公園におけるゴミ問題が市民にとって迷惑とされており、環境の観点からも対応に矛盾点があることを認識頂いていると考えます。
本市がこれから取り組むべきことは、地域の皆様に対して、公園におけるゴミ箱の現状を知って頂くための様々な情報を提供し、改めて公園のゴミ箱について考えていただくことだと考えます。
ごみ箱が設置されていることで、一部の利用者の方が公園内にポイ捨てされたごみを拾い、ごみ箱にごみを集約するという小さなボランティア活動に貢献していることも、事実として存在しています。しかしながら、本来正しく活用されるべき公園のごみ箱は生活ごみを集め、一部マナーの低い利用者の影響で公園内にごみが散乱し、こうした状況はさらにごみを集めるという負のサイクルを生んでいるように感じます。
また、本市はゴミの分別を積極的に取り組んでおり、こどもたちにもゴミ分別の大切さを教えています。分別が行われていないゴミ箱が公園に設置されている現状は、こどもたちが集う環境において適切であるとはとても言えません。さらに、このようなゴミ箱に、約3,900万円もの管理費用を計上することは、本市におけるゴミ政策の方向性を疑問視されてしまいます。
公園におけるゴミ箱の現状を、市政ニュースや市のHPなど様々なチャンネルで発信し、多くの市民の方々にこの問題について共有する必要性を感じます。公園で問題となっているゴミのポイ捨てやゴミ箱への生活ゴミ問題にも触れ、こうした迷惑行為によって地域住民や公園を利用するこどもたちが、とても迷惑している事実をしっかり伝えるべきだと考えます。
最後の【質問8】「地域からの要望があれば、市は積極的にごみ箱の撤去に応じるのか」との問いかけに対して、「将来的には撤去していく方向で考えており、問題が発生しているような公園から順次相談し、撤去を進める」とのご答弁をいただきました。
公園のごみ箱が将来的に撤去されることで、生活ゴミなどが捨てられなくなり、分別されないごみ箱の課題も解決されることで、本来あるべきこどもたちの環境を整備できる期待を、本市はお持ちであると認識します。ごみ箱に使用された管理費用は老朽化した遊具などにも使用でき、こどもたちにもっと活用される公園になる希望を見出します。こうして地域の皆さんが公園を利用することで、保護者など大人の方も増えて見守り環境が生まれます。
ごみ箱を撤去することに対する考えは様々だと思います。最終的には地域の皆さまによるご判断にはなりますが、本市が撤去に前向きな姿勢であることから、公園ごみの現状や課題、問題の本質、それに掛かる費用や環境問題など、ごみ箱の必要性を考えるための様々な情報を提示し、市民のみなさまからも、ごみ箱の撤去に対して自然で前向きな返答が帰ってくる取り組みを行っていただくよう要望します。