3月定例会一般質問④ 送迎保育ステーション事業の検討について


最近、娘が似顔絵を描いてくれます。
家での1人ご飯ですが癒されます。

子育て環境の改善についての4回目です。

前回の内容は以下をご参照ください。
3月定例会 一般質問①
3月定例会 一般質問②
3月定例会 一般質問③

3点目は【送迎保育ステーション事業の検討について】です。
保育所を利用する保護者は働くために保育所を利用します。したがって保育ニーズの高い地域や、保護者が通勤で利用する最寄り駅の近くに保育所を整備するのが望ましいとされています。
しかし、夙川地区の駅前には保育所施設を整備する為の有効な土地がありません。
逆に駅から離れた場所には整備が可能な土地が存在しますが、保護者の送迎負担が大きくなることからあまり有効な整備とは考えられませんでした。

場所は変わって千葉県流山市では、保育を必要とする児童が少ない地域と保育ニーズが高く一定の保育施設に保育希望者が集中する地域との偏差を改善して保育所における児童数の均衡を図ることや、待機児童の解消及び児童の送迎に係る保護者の負担の軽減を目的として、平成19年から送迎保育ステーション事業を行っています。1人でカバンを持って歩ける1歳以上の児童が対象で、流山市内30箇所の保育所へ、計7台のバスによって朝と夕方に児童の送迎を行います。市内2箇所の駅に送迎ステーション施設があり、保護者は出勤前に児童を施設に送り届けます。あとは送迎バス専属の保育士が児童をバスに乗せて、各保育所まで送るというサービスです。この送迎サービスは登録制で、平成26年度登録者数は191名となっており流山市保育所利用者全体の6%、送迎バス延べ利用者数は46,572名となっています。この事業では利用料金として1日100円、1ヶ月で最大2000円を保護者から負担してもらっているそうです。

送迎保育ステーション事業を夙川地区で導入すれば保護者の送迎負担を考慮しなくて済みます。
比較的土地が安く、不便な立地によって活用が難しい土地などに保育所を整備することが可能となるだけでなく、今後は少子化によって児童の受け入れに余裕が出る保育所の均衡を保つことも可能です。集中している希望施設を分散させる効果もあることから、待機児童問題の解消に向けて大きな期待が持てると考えます。

また保育所を利用する保護者の中には車による通勤を行っている方も多く存在することが予測できます。西宮市鷲林寺町に夙川宝保育園があります。この施設を利用する保護者の実に9割が自家用車による送迎を行っていることから、この施設を利用する保護者の中には車で通勤している方もいると予測しています。車で通勤を行う保護者によっては、保育所が駅前にある必要はないので、こうした保護者に対して不便な立地に整備された保育所であっても有効であると考えます。


この事業を行っている流山市では、平成17年から27年にかけて人口が約22000人増加しています。中央のポスターは流山市が作成した市のPRポスターで、子育ての街を最大限にアピールしています。資料左の表をご覧いただければわかるように、流山市がPR通りの子育て世代層を取り込み、こどもの数が増加しています。こうした背景に、この送迎保育ステーション事業が子育てを行う保護者にとって魅力的な事業であり、住みたい街に選ばれた要因の1つとなったことが十分考えられます。

西宮市でも保育を必要とする保護者方が、「西宮市の保育サービスは魅力的だ」と感じていただけることが子育て世代の転入を増やし、こどもの数が増加すると考えることから、こうした事業は夙川地区にとって必要な事業であると考えます。そこで、「勤務環境の調査内容を踏まえ、流山市で行われている送迎保育ステーション事業への必要性を検証した上で、導入も視野に入れて検討を進めるべきだと考えますがどうか?」という質問をさせて頂きました。

これに対して市は
「本市の保育需要の状況としては、南部の市街地の内、東部の保育需要が若干低い傾向にあり、その意味では、この送迎保育ステーション事業の導入が、保育施策として有効となりうる可能性があります。今後、保護者の状況やニーズを分析するなどしながら本市における当該事業の導入の可否等について、研究してまいります。」とのご答弁でした。

夙川地区では保育所を整備するための有効な土地が駅前にはありません。
しかし、夙川宝保育園は現在定員を大きく超える100名以上の児童が入園しており、こうした地域では保育所を整備できる有効な場所も存在します。
また保育所を運営する事業者にとって大きな不安要素があります。それは「少子化」が進むことで「預かる児童が減ってしまうのではないか」という問題です。西宮市ではすでに少子化が大きく進んでいる地域もあり、こうした地域の保育所は今後の運営に不安を抱いています。保育所事業は「福祉」であり「事業」です。こどもの数が減れば当然運営も苦しくなります。こうした問題に対して、この送迎保育ステーション事業は大きな役割を果たすはずです。

待機児童が未だ問題となっている西宮市では、地域の偏差はそこまで深刻な問題になっていません。しかし保護者の送迎負担への課題に対応することを前提として、保育所の整備には不向きとされる駅から離れた土地などに保育所を整備することは夙川の待機児童問題の解決に有効だと考えます。夙川地区における送迎保育ステーション事業の必要性を十分検証した上で、今後西宮市で起こる可能性のある地域偏差への準備期間ということも踏まえ、試験的に導入を行うことも可能です。ぜひ前向きに研究を進めていただきたいと思います。

というわけで次回に続きます。