今回で6月定例会一般質問のご報告は最後となります。
最後は●医療的ケア児童への対応についてです。

当選後間もなく、公立小学校に医療的ケアが必要なお子さん(以下ケア児童と呼びます)を通わせているお母さんからご相談がありました。内容は今の看護師体制に大変不安を感じている、もっと看護師の方を増やして欲しいというものでした。

私は早速、教育委員会の特別支援課へ状況の確認を行いました。担当課の意見としては、西宮市のケア児童への対応は周辺自治体と比較しても不足しているとは言えないというものでした。私も内容を聞く限り、予算や看護師の雇用に課題はあるにせよ、対応に大きな問題はないのではないかと感じました。そこで、実際に学校でケア児童を看護する方や、医療的ケアにかかわる看護師の方々に意見を聞くことにしました。伺った感想として、特別支援課から聞き取りを行った内容と若干の齟齬があることがわかりました。

普通学校や特別支援学校への看護師の配置が充足しているかどうか、それぞれの意見にズレが生じていたので、私は客観的な視点で確認できるよう、西宮市を含む阪神間の自治体に医療的ケアの現状に関するアンケート調査を行いました。ご対応いただいた各自治体の職員の方々におかれましては、会期中のお忙しい中、タイトな期間にもかかわらずご回答下さり、本当にありがとうございました。調査結果を参考に、ケア児童1人あたりの看護師 労働時間を算出してみました。それが資料⑬です。
資料⑬_page-0001
この結果を見ると、西宮市の時間は他市と比較して決して多くはないことが把握できます。この結果だけを見ると、本市の医療的ケア児童に対する看護師の体制は充足しているとは言い切れないと言えます。一方で、現場には看護師だけでなく教員や介助員なども一緒に業務を行います。それぞれの役割や業務の分担方法の違いによって労働時間への増減に影響が及ぶ可能性もあります。またケア児童に必要な医療行為の度合いによって、作業時間などが大きく変わることも考えれば、単純な時間の比較だけで充足しているか否かを判断することは難しいと感じました。

如何にして適正な看護師の配置人数を求めるのか、その手段として有効なのは現場を熟知する経験豊かな看護師によって、ケア児童の状態を勘案しつつ現場環境を組み立てていく指導的な立場の人員を配置することです。

令和5年度版「兵庫県医療的ケア 実施体制ガイドライン」には、指導的な看護師の配置を推奨しています。この指導的な看護師について「域内や学校において指導的な立場となる看護師を指名し、相談対応や実地研修の指導をさせたり、各学校に看護師等を配置する代わりに、複数の看護師等を教育委員会に所属させ、複数校に派遣するなど、看護師等が相互に情報共有や相談を行うことができるようにしたりすることも有効である。」と提言しています。実際に兵庫県内では令和元年8月現在で神戸市や三田市、明石市など6つの自治体において、指導的な看護師を教育委員会や特別支援学校に配置しています。 もう一度、資料⑬をご覧ください。指導的な看護師の配置を行っている三田市のケア児童1人あたりの看護師 労働時間が西宮市のそれと比べて倍近くとなっています。この結果を見ると、看護師という立場で実務経験をもとに現場を把握し、より適切な医療的ケアが実施出来る看護師体制を教育委員会の立場で意見を述べ、予算などへ反映出来る効果が期待出来るのではないかと感じました。以上の内容を踏まえ、お伺いします。

(浜口質問)
教育委員会特別教育支援課へ指導的な看護師の配置を進めることで、普通学校や特別支援学校に配置されている看護師の管理・指導など、現場の環境改善に大きな効果が期待できると考えるがどうか?


(教育委員会次長)
令和3年9月に、「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が施行され、医療的ケア児とその家族への支援が、国、地方公共団体、保育所や学校園の設置者などの責務として示されました。このような社会的背景の中で、医療的ケア児の教育の場は、特別支援学校に限らず、小中学校などへと拡がりをみせています。医療機関とは異なる学校園という環境で他職種と協働しながらケアにあたる看護師は、医療的ケアの実施に限らず、より多様な役割が求められています。

国において、「指導的な立場となる看護師を指名するなど、看護師等が相互に情報共有や相談を行うことができるようにすることも有効」と示されています。本市においても、指導的な役割を担う看護師を育成し配置することが有効であると認識しています。以前より医療的ケアの課題について関係部局で協議を行ってきたところですが、令和2年度より、西宮市立学校園における医療的ケアの実施体制の整備について検討するため、「西宮市立学校園における医療的ケア検討会」を設置しました。検討会においては、指導的立場の看護師をどのような位置づけで、どのような人材を配置することが適切かなどについて、検討しているところです。

一方、本市では、医療的ケアを担う看護師について、人材の確保に努めていますが、募集人数に対して不足する傾向にあります。まずは、看護師の確保を優先的に取り組むことが必要だと考えます。今後も医療的ケア児の支援体制の充実に向けて、看護師の確保に努めるとともに、本市を取り巻く状況を総合的に踏まえ、指導的立場の看護師の配置について引き続き検討してまいります。


ご答弁では「指導的な役割を担う看護師を育成し配置することが有効。指導的立場の看護師の配置について引き続き検討する。」とのことでした。有効性を理解いただいているとのことなので、年内の配置を進めるよう要望します。

一方で「本市では、医療的ケアを担う看護師について、人材の確保に努めていますが、募集人数に対して不足する傾向にあります。まずは、看護師の確保を優先的に取り組むことが必要。」とありますが、これは逆だと思います。これまでは教育委員会が看護師に対して現場の管理や業務の指示を行ってきたわけですが、指導的な看護師の配置によって、より専門的な知見を加味した現場管理が実現できると期待しています。看護師の確保が優先とありますが、現場の環境を改善して定着率を上げることも優先すべきです。その結果が看護師の確保をより効果的なものに出来ると考えます。

子供を教育するプロと医療行為のプロ。双方の業務の分担ややり方には様々な考えが存在し、時には意見がぶつかることもあるでしょう。支援学校の先生、看護師、それぞれが学校に通う児童や保護者の想いを第一に考え、お互いの存在を尊重して意見を交わしていただきたいと思います。どちらが欠けても学校運営は成り立ちません。指導的な看護師の配置は、その一助になると期待しています。

西宮市は医療的ケア児童数が他市と比べて多くなっています。最低でも2名の配置を行うこと、そして一定期間で交代し、持ち回り制によって出来るだけ多くの看護師の方が指導的な看護師を経験していただくことで、従事する看護師の方々の意識や質の向上、現場の環境改善に期待が持てると考えます。

あと、この機会に看護師の配置基準の検討も必要ではないかと思います。保育でも児童数に対して保育士の人数が定められています。医療的ケアに携わる看護師についても、ぜひ教育委員会と現場の職員や看護師の皆さんで必要性について議論を行ってください。こうした議論を進める上で、指導的な看護師の役割は大変大きいと思います。医療的ケアが必要な子供たちの更なる安心・安全の為にも、指導的な看護師の配置を迅速に進めるよう最後に要望致しまして、浜口ひとしの一般質問を終わります。ご清聴誠にありがとうございました。