前回に引き続き、6月定例会一般質問のご報告です。
今日は●育成センター施設整備の課題についてです。

「留守家庭児童育成センターにおける施設整備のあり方について」によれば、育成センターで待機児童が発生している学校は令和4年度時点で41校中9校、児童数は116人でその内4年生が28人となっています。しかし令和9年度の育成センターの待機児童の予測は41校中17校で発生すると見込まれており、待機児童数は468人、うち4年生が約半数と悪化が予測されています。保育需要が今後も高くなることを考慮すれば、育成センターの更なる整備が求められる一方で、運動場にはすでに多くの専用施設が整備されているため、新たな施設を整備する場所が不足することや、施設によって児童の運動や遊びの環境に支障をきたすなど課題があります。

育成センター整備の課題解決で最も有効な手段は、学校の空き教室を活用することです。私は平成29年9月の定例会において「教室の優先順位などがわかる一定の基準を設け、その基準に沿って教室の活用を進めていくべき」との質疑を行いました。その後、⻄宮市教育委員会は令和元年10月に「⻄宮市学校施設の有効活⽤基本⽅針」(以下基本方針と言います。)を策定しました。この中で「活⽤の対象となる施設について」の項目には、活⽤を進めていく際の施設とその優先度が定められており、優先順位の1番目には教育施策(学校及び教育委員会)の実施に関するもの、2番目には留守家庭児童育成センターと記されています。しかし一方で、この基本方針策定以降に余裕教室を育成センター施設に活用した実績は、名塩、高木、瓦木、平木小学校の4校で合わせて5施設に留まっており、香櫨園、春風、小松、安井、樋ノ口、鳴尾北、段上、神原、深津、甲陽園小学校の10校27施設は今まで通り学校の校庭に建設されています。余裕教室の活用が進まない理由として、学校区によっては児童数が増加して教室不足が懸念されることや、2022年3月に 「公立義務教育 諸学校の学級編制 及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案」が可決・成立したことによって、小学校の学級編制の標準を5年間かけて計画的に40人から35人に引き下げることが義務付けられたことによる教室の確保などが挙げられます。

一方で、育成センターの整備は今後も更に必要となる可能性が高いことや、令和4年に建設された春風育成センターの整備費用は5つのセンターで約2億5500万円と高額なことなど課題がありますが、最も大きな問題は施設更新や解体費用による将来的な負担です。

西宮市の公共施設については「西宮市 建築系公共施設 個別施設計画(以下、「計画」と言います)」において、長寿命化における目標耐用年数を定めています。計画では鉄筋コンクリート造や重量鉄骨造については、標準的な目標耐用年数を65年と設定されていますが、育成センターのような構造については目標耐用年数の定めがありません。「建築物の耐久計画に関する考え方」における目標耐用年数では、軽量鉄骨造については30年~50年という目標耐用年数が示されています。
資料⑨をご覧ください。
資料⑨_page-0001
こちらは市内育成センター106施設の築年数から更新が40年と仮定した場合の更新時期を表したグラフです。表をみると、令和25年から30年の期間と令和40年から45年の期間に更新が集中しているのがお分かりいただけます。育成センターの整備には多額の費用が必要な上に、運動場に整備された施設によって児童の運動や遊びの環境にも悪影響を及ぼしている現状は改善すべきです。現在建設されている育成センターの更新や解体にも多額の費用が必要となり、将来への大きな負担となることも問題だと考えます。

以上の内容から、今後の育成センターの整備については積極的に学校の余裕教室を活用していくことが望ましいと考えます。そこでお尋ねします。

(浜口質問)
今後の育成センター施設整備については、軽量鉄骨造の目標耐用年数が30年~50年という目安を踏まえ、更新期間を集中させないよう配慮を行いながら、運動場への専用施設として可能な限り整備・ 更新せず、学校内の余裕教室への転用を積極的に進めるべきと考えるがどうか?

(こども支援局長答弁)
本市においては、待機児童対策などの取組みにより育成センターの整備を進めてきたことから、築30年を超える施設も増えてきており、その更新時期についての検討も必要になってきております。更新時期については、30~50年程度の使用を一つの目安として、個々の育成センターにおける利用児童の状況や施設の劣化状況、学校における児童数の状況などを勘案しながら、優先順位をつけて決定することが必要だと考えております。

また、育成センターの更新に際しましては、事業費縮減の観点などから、これまでも学校の協力を得て余裕教室への転用を図ってきたところですが、引き続き教育委員会と「学校の大規模改修などの予定」や「児童数の将来推計」を共有しながら各育成センターの更新時期を検討することで、余裕教室の積極的転用に繋げてまいりたいと考えております。

今後の育成センターの整備や更新において重視しなければならないことは、余裕教室を活用して運動場への整備や更新を極力控えることです。育成センター施設の多くは軽量鉄骨造であり、その目標耐用年数は30年から50年と幅が広くなっています。建物の劣化状況など施設の状況を確認しながら、計画的に余裕教室への転用を行う必要があります。

これから全ての学年において35人以下学級を進めていくことが法律によって定められていますが、全ての移行が完了すれば校区内での急激な児童数が見込めない限り教室を確保する必要性は低くなると考えます。その場合、例え更新時期に達していない場合でも余裕教室への移行を行うべきです。

また移行後の育成センター専用施設については、即座に育成センターを解体するのではなく、地域活動やPTA、学校の備品管理倉庫などにしばらく活用しながら様子を見ることも重要です。人口減少の抑制に対する取り組みによっては、再び学校区内の児童数が増加に転じるかもしれません。余裕教室の確保に十分なゆとりを保ち、ある程度まとまった形で整理できるようになったタイミングで育成センター施設の解体を行うことが費用対効果も高いと考えます。

育成センターの新たな整備や更新・解体にかかる費用が将来の負担とならないよう目標耐用年数のゆとりを活用し、育成センター課と教育委員会が連携して計画的に余裕教室への移行を行うよう要望します。

次回は●教室不足の解消についてをご報告します。