西宮市にとって「人口減少」は課題の1つです。

人口が減ると税収の減少公共サービスの低下だけでなく、市内産業や雇用、電車やバスなど公共移動手段、コミュニティなど、様々な市民サービスに影響を及ぼす可能性があります。人口を減らさないようにするためには、西宮市街からの転入促す取り組みが必要不可欠です。

西宮市は過去8年間の累積で転出超過となっています。

住みたい街No.1と言われた西宮市ですが、実は平成26年から令和3年の8年間における『住民基本台帳人口移動報告』の累積では転出超過となっています。

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下の表は西宮市内における出生数死亡数の推移です。出生数は年々減少し、死亡数は逆に増加しています。そして平成30年から死亡数が出生数を上回り、人口が減少する要因の1つになっています。高齢化率の上昇や出生率・婚姻件数の低下など現状を考慮すると、死亡数が出生数を上回る状況がさらに悪化する恐れがあります。西宮市が人口を増やすためには、西宮市街からの転入者を増やすことしか方法がないということになります。

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兵庫県内近隣市が転入超過となる中で西宮市19番目

西宮市は転出超過となっている一方で、周辺の尼崎・芦屋・伊丹・宝塚は転入超過となっています。子育て施策で話題の明石市は県内で2番目(全国でも51番目)の転入超過都市です。

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転入・転出は日本全国でどのような状況なのでしょうか?

全国では毎年450万人以上が都道府県外へ移動している。

日本では毎年、平均で約469.1万人が都道府県外から転入し、同時に平均で486.0万人が転出しています。こうした動きはどのような世代で行われているのでしょうか。
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0~4歳20〜44歳の世代が約7割以上を占める。

8年間の世代別人口移動を転入・転出共に表したものが下のグラフです。ご覧の通り年間30万人以上が移動する世代は、転入・転出共に0歳から4歳と20歳から44歳の世代が約340万人全体の約7割以上を占めています。
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人はどのような理由で転入・転出を行っているのか?

移動を行っている世代を西宮市に取り込むためには、こうした世代がどういった理由で移動先を選んでいるのかを掴む必要があります。まずは全国の転入超過となった地域の把握を行っていきます。


転入超過となった自治体は1908中489市区町村

下の図は転入から転出を引いた数の8年分累計が1人以上(転入超過)となった自治体(市区町村)だけを抽出し、各都道府県ごとに合計を出したものです。

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8年分累計が1人以上(転入超過)となった自治体(市区町村)は1908中489市区町村でした。都道府県別で見ると、転入超過の人数が最も多かったのは東京都で約52.7万人、次いで神奈川県が約18万人埼玉県が約15.6万人千葉県が約16.5万人大阪府が約14.5万人となっています。東京を中心に埼玉・千葉・神奈川・茨城の5つの人数を合わせると約105万人(全体の約61.2%)です。移動人口の動きは、一極集中化していることがわかります。ではなぜこのように特定地域に移動人口が集中するのでしょうか?理由を考えてみました。

移動人口の集中は法人数に関連が深い可能性がある。

下の図は都道府県別の法人数を表した図です。全国で約279万社の法人がありますが、5万以上の法人が存在する都道府県は12箇所です。先ほどの都道府県別転入超過の図と比較しても同じような分布になっており、法人の数と転入超過は一定の関連性があると言えます。

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国内を移動する人は概ね50歳未満で子育て層及び将来子育て層となる可能性のある世代で、法人数が多い都道府県になればなるほど転入人数が多くなる、という傾向があります。西宮市は9.5万社の法人がある兵庫県にあり、22.3万社の大阪、5.4万社の京都へのアクセスが良好な街です。しかし西宮市は他の自治体から転入先として選ばれやすい環境にありながら、転出超過傾向となっています。

転入超過の上位自治体では人口や税収の増加が確認できます。
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上のグラフは全国に人口移動の人数が上位となっている4つの自治体(政令指定都市及び東京23区を除く)と西宮市について、世代別累計人数を比較したものです。転入上位の4つの自治体では全国世代別移動人口のグラフと同様に、移動人口が最も大きい0歳から4歳の世代と20歳から44歳の世代が多く転入しています。そしてこれらの自治体では西宮市と比較して約2倍から7倍以上人口が増加し、税収は明石市以外で約1.5倍近く増加しています。

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転入人口が大きい世代に選ばれることは、人口や税収が増える期待が持てるということになります。人口移動の多い世代が魅力的だと感じる取り組みを積極的に行うことが、西宮市にとって重要だと考えます。

移動人口は減少して、さらに多くの自治体が人口減少に。

下図は2021年10月1日現在の日本の世代別人口です。人口移動が最も盛んな20歳~44歳の人口は約3,472万人ですが、20年後には2,663万人となり約2割以上減少します。人口全体が減少するということは、移動人口の人数も同様に減少することは確実です。今まで人口が減っていない自治体も、この20年で減少へと向かう自治体が増える可能性は避けられないと考えます。つまり転入人口を増やすことは極めて困難な取り組みとなることを意味します。
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人口減少を抑えるにはより魅力的な子育て政策が必要です。

こうした状況を踏まえ、西宮市が今後人口減少を出来るだけ小さくするためにも移動人口世代の方々が西宮市に転入したいと感じてもらえるより魅力的な子育て関連政策を実施していく必要性があると考えています。

人口移動の転入を妨げる西宮市の課題を改善することが重要です。

移動人口で最も多い子育て・将来子育て世代の方々に西宮市へ転入してもらうためには、まず転入を阻む課題を改善しなければなりません。西宮市の抱える課題は以下の通りです。
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将来的に公立中学校の生徒数は大幅に減少する可能性があります。

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上の表は公立小学校から公立中学校へ進学する児童数の推移です。ご覧のように、中学校に進学する時点で平均2割近く生徒数が減少しています。こうした傾向を踏まえると、令和4年度で市内に在住している0歳児3,492人、1歳児3,567人、2歳児3,807人(令和3年住民基本台帳参照)がそのまま公立小学校を経て中学校へ進学すると仮定(転入・転出人口は考慮せず)した場合、令和16年には公立中学校全体の生徒数が約8,700人(令和3年より2,300人減)となる可能性があります。こうした傾向を踏まえると、今後は公立中学校の教室に大きくゆとりが生じると考えています。

将来の児童数を考慮して小・中学校の施設をまとめることが必要!

現在西宮市には41の小学校、20の中学校があります。このいくつかの中学校の施設を小学校の施設と統合して新たな学校を建設すれば、開発抑制の緩和に必要な教室の確保、統合後に生じた空地の利活用、学校施設の削減による維持・管理費用の縮減、教育人材の集中化による質の確保、新しい校舎による世代に見合った学校環境の構築が可能となると考えます。そして学校という大きな公共施設を子供たちだけでなく地域の方々にも利用できる施設と位置づけることで、地域課題の解決、地域力の向上・活性も図れる期待があります。全国的にも類を見ない、文教住宅都市西宮に相応しい新たな学校を作るこの取り組みが、全国から教育に関心の高い子育て世代の方々が西宮市へ転入してくれる可能性が高まる期待があると考えています。

学校地域の核となる施設にして教育環境地域力UP

そこで私は公立中学校を小学校と統合して新たな義務教育学校をつくることを提案します。義務教育学校は小学校・中学校合わせて9年間で児童・生徒を育むことから、子供1人1人の成長に合わせた環境の構築が期待できます。また運動場・体育館・プール・学校図・家庭科室・音楽室など、学校が授業で使う時間帯以外を地域に解放することや、保育所・児童館・放課後の居場所(育成センター)など地域課題に必要な施設の併設もおこないます。こうした施設は児童・生徒の入り口を分けることによって、学校現場における児童の安全性と教職員による施設管理の軽減を図ります。

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市は学校施設を長寿命化する計画を進める一方で、市役所やアミティホールなどは新たに建て替える計画を検討していることに私は違和感を感じています。日本は出生数の減少が危機的な状況で、将来人口が大きく減少することは避けられません。現在の学校施設は我々ベビーブームの世代を受け入れる為に、先人の方々によってたくさん整備されました。しかし今後子供の数が減少すれば、余剰となって活用もされないまま解体もできない学校施設も出てくるかもしれません。施設を長く利用することも大切ですが、市内公共施設全体の適正配置や将来の児童数、優先すべき取り組みなどを勘案しながら、長寿命化という一択ではなく、小・中学校統合による建て替えも同時に検討すべきだと考えます。将来の日本を担う子供たちを育む学校環境は重要です。文教住宅都市西宮として相応しい教育環境を構築するだけでなく、学校が地域の核となる施設として整備を進めることで、選ばれる街『西宮市』を目指して参ります。